喧嘩
まりも
1
私には今日で付き合って3年になる彼氏がいる。
彼は高校の同級生。
社会人になってから付き合いだした。
一人暮らしの彼のマンションで半同棲中。
成田凌似でそこそこイケメン。顔はいいけどちょっと口が悪い。たまに優しいお調子者。
実家が自営で金持ちだからか超我儘の勘違い俺様野郎。
いつものように彼から部屋に来るように言われて来てみれば。
「きったな…」
こんなとこに靴下脱ぎっぱなし…。あ、またソファーに使ったタオルかけてるし。
ったく、飲み終わったペットボトルくらい捨てなさいよ…。
2日来ないだけでこの散らかりよう。
私が掃除するから汚すの?それ当たり前になるの嫌なんだけど。
仕方なく片付けていたら彼からメッセージ。
『ゴメンちょっと遅くなる』
いつもの事だ仕方ない。
散らかった部屋を片付けて、ご飯を作って彼の帰りを待つ。
――――
「ただいまだよ~うぇーい」
彼が帰ってきたのは23時過ぎ。
帰るなり彼は私に抱きつき胸を揉んできた。
「ちょっとやめてよ」
「え、何?怖っ」
彼は軽く笑いながらすぐにソファーに身を投げスマホをいじりだした。
「……」
綺麗になってる部屋について何かないわけ?
アンタのためにご飯作って待ってたんだけど?
食べないの?え、まさかご飯食べてきたの?
なら連絡くれてもよくない!?
てかちょっと遅くなるって言っといてこの時間って、ちょっとどころじゃなくない?
またスマホゲームしてるし…
アンタが来いって言うから来て待ってたのに…
「ねえねえ。コーラと肉まん食べたい。買ってきて」
彼はスマホをいじりながら私に言った。
はあ?なんなの。ご飯作ってあるんだけど。
「そんなの自分で帰りにコンビニ寄って買ってくればいいじゃん」
なんだか今日はやけにイライラする。
「てかさっきからなにひとりでキレてんの?」
馬鹿にしたような顔で私を見る。
「キレてない」
「御機嫌ナナメですね~」
と言って彼は立ち上がるとソファーにスマホをポンと投げた。
かと思えば私に近付き、
「じゃあさ、とりあえずエッチして機嫌なおしてくださ~い」
と適当なキスをして私の服に手を入れてきた。
「……」
やめて。今はそんな気分じゃない。
「ね、しよ」
「無理」
私が彼の体を押し返すと
「ん、生理か?あーかわいそ。おーこわい」
生理だからキレてるのか、といういかにも面倒臭そうな顔をしながらあっという間に彼は私から離れた。
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