気が利かない後輩たち
スズが注文したホットワインは、耐熱ガラスのマグに、オレンジのスライスやなんやらかんやら詰め込まれ
「可愛い〜」
可愛いらしい。
ワインがメインの洒落た居酒屋だった。
居酒屋と言ってもがやがやした雑音はなく、だけど静まり返った店でもない。
半個室で話しやすく、丁度いい。
「スズ、夕飯は?」
「まかない食べれたから大丈夫」
「へぇ〜まかないあるんだ」
「いいね」
「まかないって何食えるの?」
「今日は親子丼おかわり自由でした!」
写真を撮ったスズのホットワインと、グラスワインが3つ。
乾杯を合わせたグラスもスズは写真を撮った。
ゴクゴク
「うわぁ〜美味しい!」
本当に酒飲んでる。
嬉しそうに美味しそうに。
「スズっち、ゆっくり飲もうか〜」
↑怯える下田
「スズちゃんお酒強いの?」
「わかりません!」
「わかってないんかーい」←下田
「ワイン好き?」
「初めて飲みました!」
「初めてちゃうわーい
この前飲んだわーい
そこも記憶してないんかーい」
↑突っ込まずにいられない下田
「スズ、これ食わない?
ハニーローストピーナッツ」
「わ〜美味しそう!」
マジで飲んでる。
萌え袖でフーフーしてる。
あのスズが酒飲んで笑ってる。
「朝霧さん生ハム注文していいすか?」
「あ、自分チーズ食べたいです」
「私もメニュー見たーい」
「あ、ごめんどうぞ」
「光輝は何食べたい?」
可愛い
やばい
可愛すぎる
「朝霧さん聞いてます…?」
「あんま見過ぎでしょ…」
「あ、光輝見て」
メニュー見たまま右手が腕をトントン叩く。
「ワロとる…」
「や、仕事とのギャップ…」
「九州産のイカだって〜馬由が浜かな〜」
「うんうん、それ食おうな」ニヤニヤ
「泳いできたのかな〜」
「はらわた抜かれて冷凍輸送」コソコソ
「それな」コソコソ
「泳いできたんだろうな〜」ニヤニヤ
「すごいね〜」
「凄いな」ニヤニヤ
「ワロとる…」
「流通教えましょうよ…
泳いで来たら東京湾産になりますよ…」
イカは注文しなかったけど、スズはハニーローストピーナッツを美味しい美味しいと食べ
「光輝美味しいね」
隣でそう言って笑った。
錯覚しそうになる。
何も変わっていないと。
元通りだと。
友達ってなんだよ
アハハハハ
「ウケる〜岩本さん」キャハハ
「そんでね」
「いやでもさスズっち」
顔は赤くないけど、耳真っ赤じゃないか。
「スズ大丈夫?」
「え、何がぁ?」キャハハ
酔ってるのか
「ねぇ光輝〜」
「ん?」
可愛すぎるじゃねぇか
トントン叩いてくるのが可愛すぎるだろ!
「楽しいねぇ〜
光輝はいつも楽しい人たちとお友達だねぇ
よかったねぇ」
キャハハ
「うん、そうだな」
ホットワイン一杯で上機嫌。
全てが可愛すぎる。
あの頃も可愛かったけど完全に増してる。
ん?
ウルウルウルウル×2
「え…なんだよ」
「やぱ朝霧さん俺たちのこと好きなんや…」
は?
「俺一生朝霧さんのこと楽しませます!」
酔ってやがる。
「「俺たちやっぱ一杯じゃ帰りません!!」」
帰れや
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