第5話

田崎涼たざきりょう


私が4歳の時に、隣に引っ越してきた男の子。



小中高と同じ学校の腐れ縁で、なんなら高校に入ってからはクラスも一緒という絵に描いたような腐れ縁だ。



中学に入学する頃まで同じ目線だった身長もいつの間にか頭一個分は余裕で違う。



涼には一回りくらい年の離れたお兄ちゃんがいて、これまた大層なイケメンで幼い頃から私は懐いていたのだけれど、大学生になるとともに家を出てからはあまり会うことも無くなってしまった。



それでも涼の家族とうちの家族は昔から仲も良く、夏にはバーベキューをしたりなんだりして楽しく過ごしていて…



お互いの親は私達がいつか結婚すれば良いと思ってるみたいだけど、私にも涼にもそんな気はサラサラない。



それに涼は、案外女の子にはモテるみたいで、それについてからかってみても、



「興味ない。」



と涼しい顔。


からかい甲斐が無いし、何を言っても基本クールだから面白くないんだな、これが。

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