第4話

「ねぇ、また身長伸びたんじゃない?」



「んー、かもな。成長期ですから。」



今度は涼がドヤッと私を見下すように笑った。




「はいはい、どうせ中学1年からずーっと伸びてませんよーーだ!」



私の155.5cmの身長は、中学1年の春の身体測定からうんともすんとも言わなくなった。



5が三つも並んでかっこいいから良いんだもん、ってことにしている。




「涼もちゃんと夏服だねー。」



「でも微妙に寒くね?」



「じじい発言やめてくれる?」



確かに涼は昔から無駄な肉が付かない体質なのか、捲ったYシャツの袖から覗く骨ばった腕が何だか少し寂しげ。




「もっといっぱい食べなよ。」



「いや、食ってるから。」



「私より細いんじゃない?」



「莉乃が太すぎって場合もあんじゃん。」



…っ!



幼なじみだからって言って良いことと悪いことがあるってば。



無言でその背中をもう一度叩いた。

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