第2話
あー、そんなことより早く支度しなくちゃ!
クローゼットにかけたままのブラウスとチェック柄のプリーツスカートを一瞬で身に纏い、ほぼほぼ空っぽなリュックを片手に階段を一気にかけおりる。
こういう時、ネクタイをする手間をはぶけるのが夏服の良いところ。
寝癖のついた髪をなんとなく手櫛でととのえながら、歯を磨いていると何やら上機嫌な姉が背後から私を見つめる。
「私、今日彼氏のとこ泊まるから、おつかいよろしく♪」
「えー!?昨日も私行ったじゃん!てか、泊まりのことはちゃんと自分でお父さんに言ってよー。」
ぶくぶくとうがいをする私を背に、相変わらず綺麗に巻かれたロングヘアをなびかせて、そのまま洗面所から出て行ってしまった姉。
今週3度目のお泊まりだ。
…大学生は自由で良いな。
なんて思っていると、玄関のドアが開き姉の行ってきますの声が聞こえた。
って、やばいやばい時間ないんだった!
そそくさと着替えを済ませ、いつものようにテーブルに置いてあるお母さんお手製のお弁当をカバンに突っ込み、
「っ行ってきまーーす!」
もうすでに誰もいない家に向かって大きな声をあげ、一気に駆け出した。
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