第21話
「あのさ…昨日のことなんだけど…。」
あえて話題に出していなかったし、五十嵐君も触れてこないけど、やっぱり何となくモヤモヤしたままにしておくのも気持ち悪い。
「あー、なんかすみませんでした。気遣わせちゃいますよね、忘れてください。」
少し気まずそうに笑う五十嵐君。
「ずっと七瀬さんのこと見てたんで、昨日急に残ってるの見かけてチャンスとか思っちゃって。仕事中なのに本当すみませんでした。」
「あ、や…それは全然…。」
自分から切り出したくせに、ずっと見てたなんて言われてどうして良いかわからなくなってしまった。
視線を下げて、目を泳がせる仕草をする私に、
「甘いのも苦手なんですね、覚えておきます。」
「…飲めないことはないんだけど、得意ではない、かな。」
そんな会話をしていると、料理が運ばれてきて、この話はいったん終わり。
その後も私に気を遣わせないようにか、全く別の話題を提供してくれた五十嵐君はやっぱり相当良い子かもしれない。
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