第15話

ああ、そうだ。


お昼はいつも食堂で同期の真夏と待ち合わせしているから、今日は行けないって伝えなきゃ。


デスクについてすぐにラインで伝えると、すぐさま既読が付いて、


『まさか男?誰?』


文字からもわかる真夏の圧。



内緒にしたところで後から質問攻めされるのはわかっているけど…



『営業の人だよ』


それだけ伝えれば相変わらず既読が付くのは早い。


けれど一向に返信が無いところを見ると、勤務開始ってわけね。


時計の針はしっかりと9時をさしている。



真夏は私の後に経理部に異動になった。


おかげで引継ぎがやりやすいのなんの。


その前は確か営業にいたはず…



って、そうだった!


真夏は入社してから去年まで営業に居たんだった…



「七瀬さん、経理部の方が呼んでますよ。」


…やっぱりね、そうなるのよね。

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