第11話
大学時代の話、社内でのちょっとした噂話。
いろいろなことを話して、楽しくて、終電の時間が近づくのがこんなに惜しいなんて。
仕事のことを褒められて上機嫌になってしまった私はまた明日からもがんばろう、なんて単純にも程があるかもしれない。
「本当にご馳走様でした!今度は私が何かご馳走します。」
会計を済ませてくれた藤宮さんにお礼をすると、
「後輩がそんなこと気にすんな。」
爽やかな笑顔で、行くぞと言わんばかりに私の背中を軽く押した。
お酒のせいか、心臓がいつもより早く動いている気がする。
触れられた背中がやけに熱くて、顔だってきっと赤い。
でもこれも全部お酒のせい。
すぐ横にいる、まるで素面のような藤宮さんの表情を盗み見しながら、私は少しだけ浮かれた気分だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます