第4話
本来ならそのまま、綺麗に磨かれた床に体を打ち付けるハズだったのだが…
「大丈夫ですか?」
腰に回された腕からあたたかな温もり。
そして、やっぱり近すぎる綺麗な顔。
やけに密着度が高いのは、この人が転びそうになった私を支えてくれたから。
「あ、ありがとうございます…」
いまいち、状況が飲み込めない上にこの距離。
額に変な汗をかいてしまいそう。
そのままゆっくりと私をその場に立たせると自販機の取り出し口から、ミルクティーとかかれたそれを取り出し私に手渡すと、
「ミルクティー、お好きですか?」
爽やかな笑顔で私に問いかける。
この子、確か…
五十嵐…君。
下の名前まではわからないが、経理部時代の後輩が同期だと言ってよく話をしていたっけ。
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