第38話

「でも、まぁ…夏希が可愛いって言うくらいの女の子、なおさら興味出てきた。今度遊びに行っていい?」


「無理。」


「パーティーしようぜ、女の子好きじゃんそうゆーの。」



俺の言葉なんか聞いちゃいない。


一人であれこれ想像して話す悟を無視して、俺はトイレに立った。



確かに、考えると不思議な点はたくさんある。


高校3年になってから親元を離れる?


受験がこれからって時に。


もしくは元々一人暮らしで、今回も単に引っ越しただけか?


料理の腕前と、あのしっかりした性格からするとやっぱり一人暮らし経験者か?



家は、リビングは、帰る場所。


そう言った千沙のあの感じはなんなんだ…?




あー、ダメだ。


干渉はなしって言った張本人がこんなこと気にするのがそもそもおかしい。


干渉…したいわけじゃない。


そうじゃなくて…




お酒が入ってるせいか、思考がいつもより少しだけおかしいような気がしてならない。



はぁぁ…



大きくため息をついて、一旦気持ちを落ち着かせることにした。

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