第37話
それでも、動揺や戸惑いから第一印象は完全に最悪で大人げなかったことを考えると…
よく出て行かないよな、なんて思ってしまう。
俺が言うな、って話なんだけど。
「高校生ってさ、何かこう…調子に乗りたがる時期だろ。千沙はそういうのが無いんだよなぁ。」
いわゆる真面目っ子?
「そもそも、なんで高校生が親元離れてんの。地方の子?」
「さぁ。」
「聞いてねーのかよ。」
当たり前だ。
「お互い干渉はしない約束。」
「相変わらずドライだねぇ。…のくせに下の名前で呼んでんのっておかしくね?」
ドライではない。
ただ、人が踏み込んでくるのが嫌いなだけだ。
ましてや3ヶ月だけの同居人。
「苗字にさん付けがめんどくさくなっただけだ。意味はない。」
呼び方なんて気にしたことがない。
「面白くねー。あくまで同居、か。」
そう、同居だ。
ただの。
それなのに、リビングの家具なんか買ってるしな。
こんなつもりではなかった。
3ヶ月経ったらすぐに出て行く家のリビングにお金をかけるなんて。
まぁ、でも…
あの時の千沙の雰囲気を感じてしまえば買わざるを得なかった。
自分でもよくわからないけど、買う以外の選択肢が無かったようなそんな雰囲気。
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