第29話

「あ、悪い。スーパー寄って帰る。」



時間をチラッと見ると。



「ギリ間に合うだろ。」



独り言のように言った九条さん。



もしかして、晩ご飯…?


昨日もお惣菜を買って帰って来ていたのを思い出す。


毎日そうなのかな?



大人の男の人ってそういうもの?


でも、毎日だと飽きない?


私はいつも自分で作っているからよくわからないけど…



「あの…よかったら私作りますよ。冷蔵庫にいくらか食材入ってますし。」


ご飯も炊いたものがあるし、特売で買ったお肉もある。


今日作ったサラダも。


うん、簡単に生姜焼きか何か…



まだ頼まれてもいないのに、頭の中でレシピを思い浮かべていると、



「まじ?料理できるんだ?」


驚いた声を上げて、少し嬉しそうな顔をした。



「それなりには…無理にとは言わないですけど、他人の私が作ったものでよければ。」



「すげー嬉しい。さすがにスーパーの総菜続きはきつかったし。」



頼む、と付け加えるとスーパーに向かう予定だった道のりを変更。



そのまま私達の家へ帰宅した。

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