第21話
「明日、夜7時。駅集合な。」
「へ?…なんで?」
駅?
集合?
何が?
どうなって…?
しかし、混乱する私の質問には答えず、
「スマホちょっと貸して。」
呑気にそんなことを言っている。
圧に負けて言われるまま、ポケットから取り出したスマホを九条さんに渡すと…
「これ、俺の番号。万が一の時のために登録しておいて。俺も登録するから。」
慣れた手つきでスマホを操作し終えると私の手にそれを戻した。
相変わらず私は何も理解できないまま、ポンポンと話が進んでいく。
当の本人は至って変わらない様子で、
「じゃ、俺は飯にするから。」
と、まだ少し中途半端だったカーテンを再び取り付けると、そのままキッチンに戻ってしまった。
どういうこと…?
意味もわからず明日7時と約束してしまった。
おまけに軽々と連絡先の交換まで。
でも、何となく深く突っ込めない。
どうせ明日行けばわかることだけれど…
何なんだろう?
隣の部屋では相変わらず夜遅くまで物音を立てて何かをしている九条さんを気にすることなく私はその日はそのまま寝付くことにした。
…でも、やっぱり気になるかも。
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