第18話

「へ?」


わけがわからないまま、聞き返すと、




「スカート、短いから。」


私から視線を外して、再び手元にあるお惣菜を袋から取り出した九条さん。



スカート…


短い…?



「~~!!!」



やっと気がついた私は、咄嗟にスカートを手で抑える。



み、見られた……!?



動揺して瞬きが多くなり、その場から動けない私。


でも、涼しい表情でなんてことない雰囲気の九条さんは、




「それ、俺がつけるから良いよ。」



と、いつも通りの真顔。




「大丈夫です!着替えてからやりますから!」



恥ずかしくて思わず顔を背けてしまった。





「いや、どっちみちイスに乗ってじゃ危ないし俺がやる。」


あくまで冷静な九条さんはキッチンからこちらに戻り、私からカーテンを取るとそのままなに食わぬ顔でカーテンを取り付けていく。



「すみません…」



スカートの中を見られた上にカーテンも取り上げられて…


気まずいと言うか、何と言うか…




「お金いくら?」


もう一枚のカーテンをつけながら、私に尋ねるようにその話題に戻すけれど、




「…いいです。」



「は?」



「いりません。」



言い出しっぺは私だ。


お金なんか貰えない。




「あのさぁ…女子高生にお金出させるわけないでしょ?」


一旦手を休めて、呆れた声を出す九条さんはため息を吐いた。




「でも良いです。リビングの件は私が勝手に言ったので。九条さんは出さなくて良いです。」



リビングなんてどうでも良いんだって思ってる人にお金なんか出させらんないでしょ?



私が勝手にこうしたいって言っただけだから。

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