第4話

電車を乗り継いで、到着した平屋の一軒家。



先月まで人が住んでいたここは、元々男女でルームシェアメイトとして出会った2人がそのまま結婚して、今は沖縄に一軒家を建てて引っ越したらしい。


だからその名残でシェアハウスとしての賃貸になっているけど…



そもそも何をどうしたら見知らぬ男女でルームシェアなんてするんだろ。


初対面の女の人でも今こうして緊張しているというのに…


私には考えられない。



一緒に住む人も私より年上のお姉さんだって聞いたけど…良い人だと良いな。



他人と生活だなんて当たり前に経験がないし、緊張もするけど…


決まってしまった環境は逆に割り切って楽しむことも大事なはず。



お互いの部屋には鍵もついているし、プライベートはしっかり分けて考えればそれはそれでありなのかも。



すでに引っ越しの終わっている自分の部屋のベッドに腰をおろし、机に飾った家族写真を見つめる。



お母さん、お父さん。


私はしっかり頑張るからね。

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