第3話
それに…
これをキッカケに少しは子離れしてくれたら、なんて考えもあったわけで…
最低5年は向こうで勤務するらしく、父と過ごしたマンションは、これから私一人で住むにはあまりにも高すぎる。
父はお金の心配なんか~…、なんて言うけれどいくらなんでも無駄遣いにしか思えない私の説得で、一人暮らし用のマンションを探すことにしたのだけれど…
「こんな物騒な世の中、一人暮らしは絶対にダメだ。ルームシェアでもしたら良い。」
まさかのとんでもない発言。
物騒な世の中なのに見ず知らずの人とルームシェアは良いの?
なんて思ったけれど、マンションを出ると決めた時にわがままを突き通した以上何も言えず…
おかげで今日から私は、見ず知らずの赤の他人とルームシェアという名の初体験をすることになったのです。
契約関係はもちろん父にまかせ、家具やその他もろもろはすでに引越し先に運んでいる。
電車を乗り込んだ私は、空いてる車内でふぅ、と一息ついた。
なんだかんだ毎日のように泣きそうになる父をなだめ、半分、いやむしろ半分以上呆れ気味だったのだけれど、いざ海外に行ってしまうとなるとさすがに寂しいかも…
幼い頃から溺愛して育ててくれた。
母が亡くなってからも私に寂しい思いをさせまいと、さらに寄り添ってくれた。
おかげで子離れできない親になってしまった感は否めないけど…
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