第2章①

 環境音が鳴り響いている。車の音や人の声、さまざまな音が入り混じっている。

「ん…また小屋に戻ってきたのか…」

 ケイが目を覚ました。しかし、目覚めた場所はいつもの小屋ではなかった。

「え!ここどこ!」

 驚くのもそのはずあたりには見たことのない建物、風景、空気が広がっている。ケイはあたりを見渡すと何かを見つけた。ケイよりも何百倍も大きな四角い物体がたくさんあった。大きな四角い立方体に小さいガラスの板がたくさんがついていて、光が反射してキラキラしている。ガラスの板をよく見ているとそこには自分の姿が写っていた。

しばらくガラスに映った自分を見てみたり、あたりを見回していると、大きな四角い物体から人が出てきた。出てきた人はランタンのような人だった。ケイはランタンを見つけたと思い、中から出てきた人に声をかけた。

「おーい、ランタン!!こんなところにいたのかー、大丈夫か?てか、その格好なんだ?いつものランタンらしくないな。」

そのランタンのような人は全身真っ黒のスーツを着ていた。ケイに声をかけられたランタンのような人は驚きながらも低い声で、

「あの、どちら様ですか?」

と返答した。ケイは思いもよらない返答で戸惑いながらも自分がケイであると必死アピールした。がランタンみたいな人もとい通行人の女性は新手のナンパに絡まれたかのような表情をしながら「失礼します。」と去っていった。ケイはなんなんだよと思いながらも切り替えてまた周りの様子を観察した。

「そういえば一体ここはどこなんだろう。」

 ケイはそう呟いた。みたことのない大きな物体、道ゆく人はみんな変な服装。こんな場所フォトニアにあったのだろうか。それに周りの人はジロジロと自分の方を見てくる。なんんだか次第に注目されてきている感じがしたのでケイは一旦この場所から離れとりあえずベンゼンに戻る手がかりでもさがすことにした。

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