第1章②
暗い山の道、花も一輪も咲いていない物騒な道を抜けてケイたちは魔王城へ着いた。タイミングを見計らい魔王城の中へ侵入し、三人は魔王のいる部屋へと向かった。魔王城へ突撃するのも今回で8回目。難なく魔王のいる一番奥の部屋へ辿り着くことができた。
魔王の部屋に着き、ケイは「魔王!今回こそをは倒す!」と威勢を放った。魔王はまたきたのかと呆れた表情をした。
「何度来ても無駄だ」
魔王がそう言い放ち決戦が始まった。
ケイは剣を振りかざし、ネオンは魔法を放った。ランタンはというと作戦を成功させるため、魔王の部屋にたどり着いた時から別行動を行なっていたのだ。魔王の背後から弓を放つために布で隠れて魔王の背後に位置付けるようにそーっと動いた。
しばらくケイとネオンは魔王との戦いを続けた。魔王もケイとネオンの攻撃を弾きながら反撃を仕掛ける。戦いながら少しずつ魔王の体力を削っているが戦況は平行線、いや魔王の方が少し優勢のようだ。しばらく魔王の攻撃をかわしながらランタンの準備と連携攻撃を放つタイミングを伺った。ランタンから位置に着き準備できたと無線が入った。ランタンからの合図で、ケイは今だと思いネオンに今だと声をかけた。
ケイからの指示に返事をしたネオンは作戦を実行した。ステッキを振り上げて今までで一番大きな魔法を繰り出した。ネオンの実力が向上しているのに加えステッキがバージョンアップしていることもあり、大きな光を放ち魔王に攻撃が当たった。大きな魔法の反動でネオンは尻餅をついた。そしてネオンの魔法を受け魔王の意識がネオンに向く。その隙にケイは後ろから魔王に向かって剣を振るった。ケイの攻撃を交わそうとして魔王の体制は崩れた。魔王のその一瞬をつきランタンは作戦通り身に纏っていた布を脱ぎ払い「くらえ!」と矢を放とうとした。
しかし、弓を引き矢を離す寸前でランタンの体が硬直した。魔王の力がかかったようだ。一瞬のうちに魔王はランタンの方を向き手を伸ばし動きを止めた。まるで魔王には後ろにランタンがいることが最初からわかってたかのように。身動きが取れなくなり、魔王が腕を上げるとともにランタンの体も宙に浮いていった。ランタンは必死にもがこうとしたが指一本すら動かすことができなかった。そして、魔王が手を下ろすと同時に硬直が解かれランタンは倒れ込んだ。空中から落下したため全身を強く打って気を失っていた。
「大丈夫!!」
倒れたランタンにネオンが駆け寄った。駆け寄ったネオンは魔王に背を向けてしまった。その隙に魔王は攻撃を仕掛けた。ネオンは背中から大きく攻撃を受けた。
「よそ見とは、随分舐められたもんだな。」
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