なぜクエストを達成したいの?
そると
第1章①
「ん…ここは」
森の中の小さな小屋で1人の少年が目を覚ました。目が覚めた少年に気づき、1人の少女が心配そうに駆け寄ってきた。
「ケイ…!よかったぁ、なかなか目覚めないから心配したのよ!」
そう、この目が覚めた少年こそがケイである。そして駆けつけたのがネオン。三人はこのフォトニアの端にあるベンゼンという森がいっぱいの町の小さな小屋で暮らしているのでした。
ネオンの話によるとケイは気を失ってから6日経っていたようだ。ケイは結構な負荷でを負っておりケイより4日前に先に目覚めたネオンの回復魔法のおかげて傷は治っていたようだ。
すると、自分の状況を理解してきたケイがあることに気づいた。また魔王に敗亡したということに。ケイたちはいつも魔王にやられて気を失うと、ここの小屋で毎回目が覚めるのだ。なぜ気づくとここに戻っているのか、そのことに3人はいつも不思議に思っていた。
ケイとネオンがしばらく談笑していると、小屋のドアが開く音がした。
「ただいま!!ネオン、頼まれてたもの買ってきたよ〜!」
この声はランタンだった。ランタンはケイより先に目覚めており、ネオンの回復魔法と持ち前の体力でピンピンしていた。ランタンは目が覚めたケイに気づき嬉しそうな表情を浮かべ持っていた荷物を全て床に投げ捨ててケイに飛びついた。ケイがなかなか目覚めなかったから内心とても心配していたみたいだ。ケイ少し照れながら「ひっつくな」といった態度を取った。ネオンは投げ捨てた荷物は大丈夫なのか少し心配をしていた。ランタンはしばらくケイにくっついた後、さっき投げ捨てた荷物を拾い上げ中から買ってきたものを取り出した。食べ物や日用品、その他いろいろなものが入っていた。ネオンと一緒に買ってきたものを冷蔵庫にしまったり片付けたりしているとランタンは一言つぶやいた。
「私、魔王を倒す方法、わかっちゃったかも」
ランタンの一言に2人は驚いた。
「どうやったら魔王を倒せるの?」
とネオンが言った。するとランタンは得意げに計画を話し出した。
「それはねー、まずネオンの魔法でバーン、ドーン!ってやって魔王の気を引きます。その隙に横からケイが剣ですかさずズババー!ってダメージを与えるでしょ。そして怯んだ魔王を後ろからさっき買ったこの布で隠れて近づいたボクがエイヤーって現れて、このお手製の弓をシュパッ!って放つ!」
ランタンは自慢げに話した後どうかなとケイとネオンの顔を交互に見つめた。少し考えるそぶりを見せたがケイは全くわかってない様子だ。ランタンの擬音マシマシの説明に頭が混乱している系の横でネオンが口を開いた。
「お互いが連携して連続攻撃をするってことでしょ?」
ネオンの言葉にランタンは「そういうこと」と笑顔で頷いた。ケイもネオンの補足でランタンの言いたいことを理解した。
2人が理解したのを確認するとランタンは早速この作戦で魔王を倒しに行こうと提案した。さす後にこの提案には脳筋なケイでも嫌そうな反応をした。それもそのはずケイはまだ目覚めて1時間も経ってないのだ。それに加え、前回の戦いでネオンはステッキを折ってしまい修理に出しているところだった。そんな様子では魔王を倒しに行くことは不可能に近い。
しかしそれなら問題ないとランタンはネオンのステッキを取り出した。ランタンは買い物の帰りに偶然ステッキのお爺さんに会い、丁度直ったステッキをランタンが代わりに受け取っていたようだ。しかも、ランタン曰く修理したステッキは新しいバージョンになって性能も上がってるそうだ。さらに装飾も少し可愛くなっていた。ステッキを受け取ったネオンはランタンにお礼をし、
「じゃあステッキもあることだし、いざ魔王城へ種発よ!」
と言い放った。ランタンもそれに乗っかりレッツゴーと。ケイは戸惑いながらも2人と一緒ならなんとかなると思いさっきまでの嫌そうな反応はどこへ行ったのかと不思議に思うくらいノリノリで2人を引き連れて小屋を出た。
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