3.光を追い、彼は行く④
「あれ、街が見えない……」
ユウタは視線の先の光景に驚愕した。
それに山だ。
ここは先程まで獣道を駆け上がってきた山である。
改めて周りを見回したが、周りに山らしき影は見えない。
ひたすらに草原が続いており、一つだけ人が一人通る事ができる程度のトンネルのような物が草原を少し登った所に存在しているのみである。
(僕はあそこから出てきた)
トンネルを象る石の縁が辺り一面の若草色の中にドシンと構えている。
(こんな草原、街から見たことない……)
明らかに異質な空間である事を認識する。
ここまでやってきた理由を恐怖が凌駕するのをユウタはハッキリと感じた。
足をトンネルの方へ向ける。
その駆け足をトンネルへと近づけるが、ふと、あのトンネルを通ったとして元の場所に帰れるのかと不安がよぎり、その場で立ちすくんでしまった。
_____怖い
ハッキリと感じている。
ユウタはその感情に押しつぶされる様に腰を落としてしまう。
「大丈夫?」
「ひぇあい?!」
突然、ユウタの背後から声が聞こえてきた。
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