4.駄菓子屋にて待つ③

 店内で先程購入したアイスの味違いを探し手に取る。

 無愛想な店主にお釣りのいらない金額で小銭を渡し店の外に出る。

 そのまま自分の自転車に跨り、ハンドルに腕を置きながらパッケージを剥いてアイスを取り出す。


 一口噛る。


 アイスを口の中で溶かしながら、二人の家がある方向に顔を向ける。


 二人が現れる様子はこれっぽっちも無い。


 再び、先ほど感じたモヤモヤが心に宿る。


 自分の中に湧くイヤな感情に抱いたものなのか。


 或いは、二人の友人に対して抱いたものなのか。




__________。





 ふと、ユウタは視界の右奥に奇妙な光を捉えた。


 光は徐々にユウタの方へ向かってきたかと思うと、駄菓子屋の前の十字路をユウタから見て右に曲がり離れていく。


 ユウタは手に持っていたアイスを、自転車のかごの中に入れてあったパッケージの上に置き、自転車を降りる。


 そのまま十字路に向かい右を向く。

 

 駄菓子屋の建物で隠れていた光が再び確認でき、ユウタはそれを凝視する。

 光は人が歩く程度の速さで動いている。

 フラフラと彷徨うという訳ではなく、同じ方向に向かって一定の速さで進んでいるようだ。


 ユウタは、思わず光の進む先に歩みを向けた。

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