4.駄菓子屋にて待つ③
店内で先程購入したアイスの味違いを探し手に取る。
無愛想な店主にお釣りのいらない金額で小銭を渡し店の外に出る。
そのまま自分の自転車に跨り、ハンドルに腕を置きながらパッケージを剥いてアイスを取り出す。
一口噛る。
アイスを口の中で溶かしながら、二人の家がある方向に顔を向ける。
二人が現れる様子はこれっぽっちも無い。
再び、先ほど感じたモヤモヤが心に宿る。
自分の中に湧くイヤな感情に抱いたものなのか。
或いは、二人の友人に対して抱いたものなのか。
__________。
ふと、ユウタは視界の右奥に奇妙な光を捉えた。
光は徐々にユウタの方へ向かってきたかと思うと、駄菓子屋の前の十字路をユウタから見て右に曲がり離れていく。
ユウタは手に持っていたアイスを、自転車のかごの中に入れてあったパッケージの上に置き、自転車を降りる。
そのまま十字路に向かい右を向く。
駄菓子屋の建物で隠れていた光が再び確認でき、ユウタはそれを凝視する。
光は人が歩く程度の速さで動いている。
フラフラと彷徨うという訳ではなく、同じ方向に向かって一定の速さで進んでいるようだ。
ユウタは、思わず光の進む先に歩みを向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます