第5話 - イテバとジュリアンとジグムント王子
一方、ジグムント王子は悩みすぎて横になっていた。
宮廷魔法使いを新しく選ぶのは難しいことだった。
宮廷魔法使いは王子の顧問であり、魔法も古代から現在のものに至るまで堪能でなければならないからだ。
ジグムント王子が目を覚ました。
一眠りしたら頭がずっとよくなったようだった。
「宮廷魔法使いだから……適当な者がいることはあるだろう。」
呟いていたジグムント王子が突然立ち上がり、布団をぱっと広げた。
同時に短刀が飛んできて布団にぶつかって床に転がり落ちた。
「だれの仕業か?」
大きな本棚と壁の間の狭くて薄暗い隙間から笑い声が聞こえた。
「さすがジグムント王子だね。私の気配に気づくなんて。」
姿を現した一人の男。
黒い服の上に黒い鎧を羽織って黒いマスクで顔を半分隠した男だった。
長い銀色の髪を一つに結んだが、その髪は神秘的に輝いていて、黒いマスクを外すとハンサムな白い顔が現れた。
「あなたは誰だ?」
「私の名前はジュリアンだ。」
「私を殺そうとしたのか?」
「強大国の王者であるあなたの能力を試そうとしているだけだ。」
「何してるの?」
「隣国の騎士だ。」
腰から剣を抜いたジュリアンがジグムント王子に襲われた。
王子は素早くベッドのそばに置いた剣を手に取り、反撃を加えた。
剣と剣がぶつかる音が鋭く宙を割った。
ジュリアンの腕前はジグムントより一枚上手だった。
ジグムントが隅に押されている時、ドアががぱっと開き、イテバとミカとカイデルが入ってきた。
イテバは緑の杖をジュリアンに向けながら叫んだ。
「今すぐその剣を手放せ! そうでなければ、イテバが許さない!」
ジュリアンがにっこり笑って突き合わせていた剣でジグムントを押し、そのためジグムントは壁の方に数歩押し出された。
「これは思いもよらない妨害者たちの登場だな。」
剣を腰に戻し、ジュリアンはイテバをちらりと見た。
「どこか違って見えるお嬢さんなのにあなたはどこから来たの?」
「天上から降りてきた!」
「なるほど。今日は天上から降りてきたお嬢さんを見て、これで終わりにしよう。」
ジュリアンはかがんで丁寧にあいさつした。
すると、後ろにジャンプしながら大きな窓の外に消えた。
天上から来たイテバ Whitestar @whitestar
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