第3話
ミルクティーベージュに染まった髪は緩いパーマがかかっている。
パーカーにスキニーとラフな格好にも関わらず、ブランド物を身につける他の男よりもよっぽど様になっている男は容姿が既に勝ち組である。
撫木 虎太朗。経営学部の1年。関西出身上京組。登山サークルの他にもいくつかのサークルを掛け持ちしている。
面の良さとコミュニケーションの高さは抜群で、呑み会が始まった瞬間から彼の周りには人が群がっていた。
そんな彼の噂は───女千人斬りの軟派男。
「おい、はぐらかすなよー。今日はお前よりも格上の末廣ちゃんがいるからって」
ぶわはは、と笑いながら江口と呼ばれた先輩が私を見た。というよりも、その馬鹿でかい声に釣られるように大勢の目が私に突き刺さった。
私はあまり動かない表情筋を必死に動かし、なんとか笑みを浮かべてみせる。
「いや、私は何も…」
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