生まれ変わってまた会おう
生まれ変わったら一枚の枯れ葉になりたい。
僕が死んで、みんなが僕のことをすっかり忘れてしまう程度の時間が流れたあと。
秋めいてきた空気につられて散歩に出かけたキミが街角のベンチに腰掛けた時、微かな風が吹き、みすぼらしい枯れ葉が足元へと転がってくる。その枯れ葉に生まれ変わりたい。
キミは生まれ変わった僕に当然気づかない。ほんの一瞬……1秒前後程度の時間だけ、転がる枯れ葉に注目するけどすぐ別の場所に視線を移すだろう。巻積雲の広がる空とか。あるいは気まぐれに枯れ葉を踏み潰すかもしれない。そしてその日の夕飯の頃には枯れ葉を見たことすら忘れている。僕としてはそれで満足だ。
……だけど、もしキミが枯れ葉を見て僕のことを不意に思い出したなら、
……限りなく低い可能性ではあるがもしこの文章をここまで読んだキミが足元に転がる枯れ葉と遭遇しその姿を見て僕のことを思い出したなら、
そのひとときの間で構わないから僕はキミと共に同じ風を感じていたいと思う。
落ち込んだ時の文 山木 元春 @Yamaki_Motoharu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。落ち込んだ時の文の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます