落ち込んだ時の文

山木 元春

高3冬

 生きる意味なんて、あるかどうかもわからない。「あると信じて生きていく」なんていうのは信じて報われたことのある人間にしかできない。


 前後不覚の闇の中で恐怖に負けずに日の出を信じて走り続ける。それはとても辛くて苦しい。いっそ地べたに這いつくばって諦めてしまった方が楽だろう。


 死ぬは一瞬生きるは一生、だ。


 何もかも嫌になった。もうやめようと思った。


 でも俺が生きてきた中で何かしら影響を与えたものがあるはずなんだ。些細なことかもしれないけど。誰かを笑わせた、とか。問題を解決した、とか。

 悲しませたことだってあっただろうけど、悪いことばかりじゃなかったはずなんだ。


 だから、もう少しだけ走り続けてみようと思ったんだ。走り続けることに意味なんてなくても。ただ自分が辛いだけだったとしても。

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