01話 冒険者登録

聖は、高層ビルに入り、受付を済ませて緊張した面持ちでジョブ適正検査の順番待ちをしていた。


聖が住む地球では、ダンジョンが各地に点在し、冒険者たちがその奥深くに眠る宝物や名誉を求めて挑む日々。


モンスターとの戦いは、もはや人々の日常の一部となっていた。


壁には数多くのモンスターの討伐依頼が掲示されており、周囲には経験豊富な冒険者たちが賑やかに話し合っている。


彼らの中には、聖のように初めてこの場所に足を運んだ者もいれば、何度もダンジョンを潜り抜けてきたベテランもいる。


聖は不安な気持ちを抱えつつも、彼らの強さや自信に満ちた姿を見つめていた。

自分もいつか、こんな風になれるのだろうか。


「光月聖さんですね?」

突然、柔らかな声が響いた。

視線の先には、優しげな笑顔を浮かべた女性が立っていた。

彼女は冒険者協会の職員のリリィさん。


「はい、そうです。冒険者登録とジョブの適性検査に来ました。」

聖は自信を持って答えようとしたが、声は少し震えてしまった。


リリィは彼の緊張した様子に気づいたのか、優しく頷いた。

「緊張しますよね。ジョブの適性は、冒険者として最後の条件を満たしますから。さあ、こちらへ」


彼女に導かれ、部屋の奥へと進んだ。

そこには、冒険者たちが集まる訓練所があり、剣を振るう者、魔法を唱える者が行き交っていた。心の中で、自分もあのように強くなれるのだろうかと自問した。


リリィに案内してもらい適性チェックのための部屋へと進んだ。部屋の中央には、光るクリスタルが置かれており、その前に立つ。


「このクリスタルに手をかざしてください。あなたの適性を測定します」

リリィの指示に従い、聖は緊張して震える手をクリスタルにかざした。


すると、クリスタルが光を放ち、瞬時に色が変わった。青い光が彼の手を包み込み、次第に強い白色に変わっていく。リリィはその様子を見て微笑んだ。

「おめでとうございます!戦士としての適性がありますよ。」


「本当ですか!?」

この時ばかりは涙を浮かべて、情けない顔で問いかける。


リリィは笑顔で頷きながら

「はい!あなたは戦士のジョブを取得できます!

そして光月 聖さん、貴方は本日から冒険者となります!」

そこからは安堵した気持ちで時間が動くのを早く感じた。

念願の冒険者登録を済ませて基本装備を受け取る。


「これで正式に冒険者として活動できます。

時には勇気を持って、命は大切に、冒険の世界に飛び込んでください。」

リリィの言葉に、力強く頷いてお礼を言った。


数日後、ついに初めての初級ダンジョンに向かうことになった。

心臓は鼓動を速め、緊張感でいっぱいだった。

モンスターを狩り、経験値を得て、レベルアップする。

その可能性に心が躍ったが、一方で孤独な戦いへの恐怖も感じていた。


通常ギルドへ入ることが一般的だからである。

聖は幼い頃から孤独で育ち、その居心地になれており、ソロの冒険者になる決意を固めている。


初級ダンジョンの入り口は、薄暗く、ひんやりとした空気が漂っている。

一瞬ソロの冒険で怖気付きそうになるが、優しい母の言葉が頭に浮かぶ。


———聖ならなれるよ。冒険者に!


その言葉に背中を押され、一歩を踏み出した。

闇の中、目の前に現れたのは、小さなゴブリンだった。心は高鳴り、木剣を構えた。

この瞬間、冒険の第一歩が始まる。

かつての英雄たちが戦ったように、聖もまた、モンスターとの戦いに身を投じる。


「行くぞ!ゴブリン!」

声を張り上げ、ゴブリンに向かって突進した。


冒険者になってモンスターを狩り、お金を稼ぐ、自らの力で成長するぼっち冒険者の孤独な冒険が、始まった。


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[ステータス]

名前: 光月 聖(こうづき ひじり)

ジョブ: 戦士

レベル: 1


HP(ヒットポイント): 100

MP(マジックポイント): 10

攻撃力: 15

防御力: 10

素早さ: 12

知力: 8

運: 5


スキル

基本剣術: 剣の扱いが向上する


装備

武器: ショートソード

防具: 軽装鎧

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