第11話

4回目のサークルの飲み会。


いつもに増して、かなりの量を飲んでいたと思う。


普段なら酒に飲まれることなんてない私も、ボーっとするくらいには酔っ払っていた。



「ルイちゃん、彼氏いないの?」



突然隣にいた男の先輩が私の方へ必要以上に顔を近づけて、尋ねてきた。



「はい。いないですよ~!」



私は、へらへら笑いながら答えた。



「なんで~?もったいないよ~俺、マジタイプだ

し!」



どうやら先輩も酔っ払っているようだ。



「そんなことないです~私みたいな奴、どこにでも居ますよ~」


「いやいや、ルイちゃんがいいんだって!!」



そして先輩は、いきなり抱きついてきた。



「ちょっと、どうしたんですか~?」



それでも冗談だと思っていた私は、笑いながら言う。



「…ルイちゃん。」



赤く染まった頬、充血した目。


少し体が離れて目が合うとそのまま強引にキスされた。



(え…っ!!何!?…ヤダっ。)



突然のことでどうしようも出来ない。


そして先輩の手がスカートの中に入ってくるのが分かる。



―――ゾクッ



背筋に悪寒が走り、私は一気に正気を取り戻した。

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