第3話

そして家を出る日。


私の中ではいつもと変わらぬ朝だった。


いつもと違っていたのは家族。


どことなくしんみりとした雰囲気。


祖父母と会話を交わした。



「ルイ!行くよ!」



そんな中、母の声が聞こえた。



「おじいちゃん、おばあちゃんもう行くね。」


「ああ、頑張ってな。」


「休みには帰っておいで。」


「…うん。」



二人に微笑んでから、父の車の後部座席に乗り込んだ。


そして車が走り出す。


おじいちゃんとおばあちゃんの姿が見えなくなるまで、手を振った。



正直少し寂しかったな。


私、少しは感情が残ってるみたい。





流れ行く景色の中、私がぼんやり窓の外を見ていると、高速道路に向かう途中に、まーくんの働いている車の整備会社が見えてきた。




本当無意識だった。




私は、窓に一生懸命へばり付いて、必死で彼の姿を探していた。

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