第2話

アパートは前もって両親と見に行き、すぐに決めた。



本当は大学の近くが良かったのだが、『溜まり場になったら困る』と父に言われ、こんなことで反抗する気にもなれなかった私は言う通り、大学からは距離のあるアパートにしたのだ。



父の独断で物事が運ばれていく様を見ていると、私のことなのに呆然としつつ、客観的に見ている自分がいた。



私はいらないんじゃないかと思った。




兄も家を出ていたので、両親の手際が良く、私は自分の荷物の整理以外、手配などはほとんどやってもらっていた。




確実に新しい生活へと歩き出しては居たのだと思う。



だけど、私の中で未来への希望よりも、『とりあえず進むしかない』そんな思いの方が強く心を占めていた。




未来には何も期待しない。


期待すると必ず裏切られるから。

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