第2話
アパートは前もって両親と見に行き、すぐに決めた。
本当は大学の近くが良かったのだが、『溜まり場になったら困る』と父に言われ、こんなことで反抗する気にもなれなかった私は言う通り、大学からは距離のあるアパートにしたのだ。
父の独断で物事が運ばれていく様を見ていると、私のことなのに呆然としつつ、客観的に見ている自分がいた。
私はいらないんじゃないかと思った。
兄も家を出ていたので、両親の手際が良く、私は自分の荷物の整理以外、手配などはほとんどやってもらっていた。
確実に新しい生活へと歩き出しては居たのだと思う。
だけど、私の中で未来への希望よりも、『とりあえず進むしかない』そんな思いの方が強く心を占めていた。
未来には何も期待しない。
期待すると必ず裏切られるから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます