第2話 ドキドキ脱獄ゲーム〈2〉

【ドキドキ脱獄ゲーム】

・プレイヤーの4人は囚人側と警察側に2対2で分かれる。


・囚人側は2時間以内に刑務所にある32部屋の中から鍵を見つけて2人で脱獄できればクリア。警察側は囚人2人を捕まえればクリア。


・2時間以内にどちらのチームもクリアできなかった場合は引き分けとなる。


・警察側が囚人を捕まえる方法は銃で囚人を撃つ意外にない。


・撃たれた囚人は牢屋に入れられる。

仲間が牢屋の扉を開ければ逃げる事ができる。


・警察側は牢屋エリアに入る事はできない。


・囚人側も牢屋エリアに入るにはどちらかが捕まっていないといけない。


・助けに来た仲間が牢屋エリアに入ってから2分以内に2人で牢屋エリアを出ないと敗北となる。


・牢屋エリアを出てから1分間は2人共、無敵モードで銃に撃たれる事はない。


・刑務所の32部屋には鍵以外にも囚人だけが触れる能力キューブがある。

このキューブに触ると囚人は特殊能力を使える。ただし、能力を持てるは1つまでで、1度使うとその能力は消える。


・仲間同士はテレパシーの会話ができる。


ルールは以上である。


・囚人チーム:あかね華恋かれん

・警察チーム:彩弓あみしずく


「チーム分けもんだな。

じゃぁ、次は自分達のステータスを分配してもらおうかいな。」


そうゲムムが話を進める。


「ステータスの分配?」


そう彩弓が聞き返す。


「そや。この世界のゲームはできるだけの平等が売りでなぁ。

やから、ゲームによっては自分自身のステータスをり分ける事ができるんや。

ステータスは力、素早さ、体力、ジャンプ力、反射神経の基本5項目に加えて、ゲームや役職によっては特別なステータスが追加される。これらの合計が100になるまで10ずつ好きなように振り分ける事ができるんや。」


「なるほどね。」


そうゲムムの説明を彩弓は理解する。


「じゃぁ、ステータス配分の時はチーム内での相談はなしやから、個別の空間に飛ばすで。」


そう言うとゲムムは4人を別々の空間に飛ばす。


そして、4人がステータス配分を終えると全員、ゲームのステージである刑務所に飛ばされる。


「空?!」


そう茜は綺麗な青空を見上げて驚く。


「刑務所って言うからてっきり、室内を想像してたけど、外なのか。」


そう茜は小さく呟く。


「おわ~ぁ。綺麗な空~ぁ。」


そう茜の後ろで華恋が声をげる。


「華恋。」


そう茜が華恋の方へ振り返る。


《今から3分間の作戦会議に入ります。

3分後にゲームがスタートします。》


そう女性の声でアナウンスが入る。


「作戦タイムか。華恋、ステータス配分はどんな感じにした?」


そう茜が尋ねる。


「もちろん素早さに全ぶっぱだよ。」


そうどや顔で華恋が言い切る。


その予想外の華恋の発言に茜は動きを止める。


「一応聞くけど、華恋。

この世界では華恋の元々の体力は反映はんえいされないのは分かってる?」


「・・・どいう事ですか?」


そう華恋が聞き返す。


「つまり、今のあんたはチーターなみに早いけど、体力は赤ん坊以下って事。」


そう茜に言われて華恋は絶望した顔をする。


「う、嘘だ~ぁ!!」


そう華恋は大きく叫ぶ。


(もしかしてワレは最初からハンデを背負ってるんじゃないだろうか?)


そう茜は不安に思う。


《作戦会議終了です。今からゲームをスタートします。》


そうアナウンスが流れた瞬間、ステージに32個の部屋が現れる。


それと同時に茜と華恋の服装が囚人服に変わる。


「とにかく、分かれて鍵を探すわよ。

報告はこまめにする事、分かった?」


そう茜が早口で指示を出すと華恋は了解と言って敬礼をする。


(作戦と言えるものは全くたてられなかったけど、仕様しょうがない。あとはゲームの流れを見て組み立てていこう。

それに素早さにぶっぱって事は簡単にはたまは当たらないでしょ。

うん。プラスに考えていこう。)


そう自分に言い聞かせながら茜は1番近い6番の部屋に入る。


だが、その部屋には鍵も能力キューブもなかった。


すぐに部屋を出て次の部屋に向かおうとする茜の前に彩弓が現れる。


彩弓は茜の姿をとらえると迷わず拳銃を撃つ。


そのたまを茜は反射神経で避けるとそのまま全速力で逃げる。


「まぁ、さすがに反射神経にステータス振ってるわな。1発撃っただけじゃ仕留しとめられんかぁ。」


そう彩弓が少し残念そうに呟く。


「ごめん。茜、逃がした。

動きから見て多分結構、反射神経にステータス振ってると思う。」


そう彩弓が雫に報告する。


「了解。こちらにも獲物がきたよ。」


そう高い部屋の屋上から“スナイパー銃”を構えている雫が言葉を返す。


その雫が覗いているスコープの先には華恋の姿が。


「ごめんね、華恋ちゃん。」


そう小さく謝りながら雫は華恋の頭を撃ち抜く。


《華恋選手が確保されました。》


「え?ウソ?!」


そうアナウンスを聞いた茜は大きく驚く。

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