私達、神岳女子高校ゲーム体験部
若福清
第1話 ドキドキ脱獄ゲーム〈1〉
ここは
この部の部員は4人で、全員が2年生である。
まず、部長の
得意なゲームジャンルは心理戦や読み合いと言った相手を騙す系。
性格は少し男ぽい。
次に
得意なゲームジャンルは頭脳戦や推理系。性格はクールで少し冷たさがある人見知り。
次に
得意なゲームジャンルは運ゲー。
性格は明るく元気。
最後は
得意なゲームジャンルは記憶系。
性格は優しく面倒見がいい。
以上がこの神岳女子高校ゲーム体験部のメンバーである。
※
「そろそろ、この部室にあるゲームも遊び尽くして飽きてきたなぁ。」
そう彩弓が目の前に居る茜と雫に話しかける。
「そうね~。」
そう雫が同意する。
「・・・そう言えば、華恋のやつはどこ行った?」
そう茜がキョロキョロしながら言うと
彩弓と雫も部室内を見渡す。
だが、華恋の姿はない。
「居ないな。」
そう彩弓が言った瞬間。
彩弓の後ろにある扉が開いて隣の部屋から華恋が勢いよく出てくる。
「みんな~ぁ。面白そうなの見つめた~ぁ。」
そう元気な声で叫ぶ華恋の右手には
その本を華恋は3人の前にある長机の上に置く。
「なに?これ。」
そう茜が尋ねる。
「分かんないけど、隣の資料がしまってある部屋で見つけた。」
そう明るい声で華恋は答える。
「本のタイトルはボロボロでちゃんと読めないけど、ゲームって書いてるのかな?」
そう雫が首を傾げる。
「やっぱり、そう読めるよね?
もし、ゲーム関係の本ならアタシ達ゲーム体験部としては読んどかないとじゃない?」
そうニコニコとした笑顔で華恋は言う。
「まぁ、暇だし読んでみるか。」
そう彩弓が言うと華恋は本のページを開く。
その瞬間。本が眩しく光って中から妖精らしき生き物が飛び出してくる。
「ふわはぁ~。よ~寝ましたわ~ぁ。」
そう少し邪悪な色をした妖精は大きくあくびをする。
その妖精を華恋達はポカーンとした顔で見つめる。
「ん?なんやその顔は?
女の子なら、妖精出てきたら、もっと喜べや。」
そう妖精は不機嫌そうに文句を言う。
「あんた妖精なの?見た目的には悪魔の方が近いよ?」
そう彩弓が言葉を返す。
「はぁ?!ワイのどこが悪魔やねん!!」
『色。』
そう4人が声を揃える。
「か~ぁ。このかっこいい色の魅力が女には分からんのかいなぁ。
これやらか女ってやつは~ぁ。」
そう妖精は呆れた様子で愚痴をこぼす。
そんな妖精の態度にイラッとした彩弓は本を閉じようとする。
「待て待て待て~ぇ。金髪の姉ちゃん、待ってねぇな。ワイ本の中から出たん、数十年ぶりやねん。なぁ?一旦ワイの話聞いてぇな。」
そう腰を低くして妖精はお願いする。
「話ってなに?」
そう本を掴んだまま冷たい視線をして彩弓が聞く。
「よ~し。まずは本から手を放そうか。
お互い気軽な気持ちで話そう。な?」
そう妖精に言われて彩弓は1つ小さなため息を吐くと本から手を放す。
「で?君はなんなの?」
そう華恋が質問する。
「よ~ぉ聞いてくれた、ポニーテールの姉ちゃん。ワイはゲーム界の妖精なんや。」
『ゲーム界の妖精?!』
そう4人全員が大きく驚く。
「そう。名前は“ゲムム”や。よろしくな。」
そうゲムムが明るく笑う。
「妖精って事はゲムムは魔法とか使えるわけ?」
そう華恋が興味津々で尋ねる。
「まぁ、お前達人間が想像してるような魔法とは違うけど、使えるで。」
「どんな魔法?どんな魔法?」
そう華恋が食いつくとゲムムはニカ~と笑って見せる。
「ゲーム世界を作れるんや。」
『ゲーム世界?』
そうまたまた4人全員が声を揃える。
「まぁ、説明するより体験してもらった方が早いわ。」
そう言うとゲムムは指を鳴らす。
すると4人全員、違う世界に連れていかれる。
その世界は暗闇の様に真っ暗で何もない。
「ここがゲームの世界なの?」
そう雫が少し不安そうな声を出す。
雫は暗い場所やお化けなどと言ったものが苦手なのである。
そして、そう言ったものが苦手な人物がもう1人。それは茜である。
「茜ちゃん大丈夫?」
そう華恋が少し震えている茜に声をかける。
「みんなが居るからまだ大丈夫よ。」
そう茜は答える。
「なんや、あんた等2人暗い所苦手なんかい。しゃ~ぁないなぁ。」
そう呆れた様子で言うとゲムムは世界に明るさを与える。
「これで落ち着いてゲームルール聞けるかい?」
そうゲムムが茜と雫に尋ねる。
「はい。ありがとうございます。」
そう雫は明るい声でお礼を言う。
人見知りの茜は小さく頷く事で返事を返す。
「よ~し、では今回のゲームはこれや!!」
そうゲムムが大きな声で叫ぶと
“ドキドキ脱獄ゲーム”
『ドキドキ脱獄ゲーム?』
そう4人は揃って首を傾げる。
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