※読み合い企画からのレビューです
さまざまな異世界に渡り魔を狩る魔狩人の一人である主人公・ヒグレが訪れたのは、エルフの住む大森林
ヒグレはそこで、何者かに追われる獣人とエルフ、二人の少女と出会う──という導入から始まる本作品は、非常に血生臭いハイファンタジーだ
チート能力で無双する物語ではなく、気持ちの良い勧善懲悪の物語でもない
ヒグレは強いが、一人の力で何もかもを解決できるわけでもない
時には大切なものを取りこぼし、悲しみに暮れることもある
しかし、自らのその無力さをヒグレ自身が知っているからこそ、足掻き、怒る姿が尊いのだ
これから読み始める読者諸兄を待つのは、ヒグレを通して見る"過酷"だ
もしかすると、ある種の覚悟が必要かもしれない
だが、それを受け入れて余りあるほどの面白さが、本作品にはある
凡百のイージーモードな異世界ファンタジーではなく、ベリーハードな本作品
読む価値はあると保証しておこう