考察します考察しました

「食べます食べました」(略称:食べ食べ)はその活動内容について、Bちゃんねるのオカルト板をはじめとしたいくつものネット掲示板、まとめサイト、SNS上で様々な考察がなされている。

本項ではその中でも、後述の怪談「食べます食べました」に関係するものを三つ紹介する。



①投稿の真偽 全部ネタ説(創作説)

「食べます食べました」はその活動が多くの人の目に留まるようになった2020年1月ごろからW(旧Tweater)を中心に「本当は食べていないのでは」という疑惑、「食べます(食べてません)説」があった。

これは食べ食べの投稿がほぼ例外なく、約20分で完結していることに起因する。(唯一の例外はティーバッグの「食べます」(2021/11/11 16:12:40)・「食べました」(2021/11/18 16:32:44)のみ)

この説は食べ食べのアンチを中心に主張されたが、多くの食べ食べフォロワーやその他無関係の人々からは批判的に評価された。そもそもの話、投稿は食事が全て終わってからタイマー機能を使って予約投稿してもいいわけで、むしろプライバシー保護や特定班によるリア凸の危険を考えるならばその方が安全であるためである。またこの時差投稿が食事を完遂できなかった証明にはならないし、受け手にとっても問題ではない。

加えて、2021年4月8日の昼食(人気店の超大盛ラーメン)の投稿で、容器の反射に映った時計の進みから本当に二十分で完食していることが明らかになり、食べてません説は完全に否定された。

しかし、この説は食べ食べ凍結後、別の説に包摂される形で再浮上する。

すなわち、全部ネタ説(創作説)である。

21年末から食べ食べ凍結まで活発化していた食べ食べのリアルを特定する作業は、ある不可解な謎を明らかにしていた。

それは、撮影者の

光源の位置と画角、あるいは机や容器の素材からして映っていなければおかしいはずの「食べます食べました」本人の姿が、どの画像にも映っていないのである。容姿はもちろん衣服や影も入っておらず、特殊なフィルタリングを施すと宙にスマホだけが浮いている奇妙な状態が露わになることもあった。

この事は食べ食べの投稿に対する信ぴょう性を著しく下げ、過去に棄却された「食べてません説」を再び取り上げさせ、ついには「すべての画像は合成されたものであり、食べ食べの投稿のすべてはネット上で執念深く演じられた一人劇である」という創作説へと進化した。

しかしこの説は、写真から本人のみを消すことの技術的困難や、五年近い活動期間の全てで同様の画像編集を同時性を保ちつつ展開する時間的困難、一銭にもならないのにそんなことを誰に自慢するでもなく続けたという動機の疑問など、複数の考察課題を抱えている。

(2024年現在、怪談としての流行から参加した人々には「画像生成AIを活用すれば容易である」と指摘する者もあるが、食べ食べの活動期間である2017年3月~2022年1月には一般に利用できるものではなかった)



②ティーバッグの中身 薬物説

2021年11月18日16:32:44に投稿された「食べます」では、どこかの裏路地らしき場所で落ちていたティーバッグの画像が添えられている。

このティーバッグを食して以降食べ食べの挙動が狂気的になったことは明らかであり、その中身が何だったのかについては考察スレで多くの注目が集まった。

といっても、複数のスレッドを跨いで議論がなされたわけではない。事情に詳しい関係者を自称するあるスレ民の投稿で確定的な最大有力説が提示された。

以下はその引用である。


26 本当だったこわい名無し 2022/02/14(月) 11:05:15.254 ID:pRDuG5ntM

あれは一時期流行ってたヤクの偽装ティーバッグだよ。中身は葉っぱ系。あの辺だと中国紅茶の専門店とかで取引するときにやってた細工だけど、すぐバレるからもう廃れたね。

直接食べてもそこまでトべるとは思わないけど、ああでも普段から変なもん食ってる不健康ならどうなるかはわからんか



③「食べます食べました」のその後 死亡説、逮捕説、食人怪異説

2022年1月18日の「最後の晩餐」で凍結された「食べます食べました」がその後どうなったのかは、2024年11月現在でも活発に議論されている。


まず最初に浮上したのは、「最後の晩餐後、悪食が祟って病死ないしは自殺した」という死亡説である。

憶測として生まれたこの説の根拠として当初挙げられたのは、凍結後「食べます食べました」本人によるアカウント再作成が確認されないことであった。

「食べます食べました」を名乗るアカウント自体は凍結前から存在し、凍結後には一日以内に十数の同名、再作成を示す名前のアカウントが誕生したが、照合に用いることができそうな部屋の様子や、「最後の晩餐」の犠牲となった猫などを提示できた者はいなかった。

元々食べ食べがその手の交流を行わないアカウントであったため確認は難航したが、2022年8月ごろから考察スレに参加し始めた三途饅頭氏が偽物のアカウントを片っ端から乗っ取って確認し、凍結後6カ月以内に誕生した模倣アカウントは全て偽物であることを宣言した。

三途饅頭氏は凍結された「食べます食べました」のアカウント内部情報を2022年1月18日当日のうちに非合法な手段で盗み見て、その際発見した「食べ食べ本人にのみ見られるアカウント運用の特徴」を持たないことを以て偽物と判定した。

ちなみにその特徴は二、三あるそうだが、氏が公表したのは一つだけで、「730件の下書きがあること」である。食べ食べ本人のアカウントにはあらかじめ「食べます」「食べました」だけが書かれた下書きがそれぞれ365件ずつ存在していた(おそらく保存上限)。氏はその証拠として内部情報のスクリーンショットをスレッドに投稿し、同様の偽物判定活動を22年10月まで継続していた。


しかし、上記の検証は食べ食べが凍結後再出現していないことを示すのみで、死亡したかどうかはわからない。

この観点から出発した別の考察勢は2022年1月のニュースを全国的に精査し、薬物による中毒死、自殺、不審死の記事を探した。「異物が胃に入っていた」、「部屋が荒らされており、事件性が見込まれる」等の記述があれば確認ができるという目算である。

残念ながらこの試みは想定していた目的を果たすことはできなかった。だが参加していた考察勢は別の可能性を発見する。 逮捕説である。

■■新聞(N県S市の地方紙)2022年1月18日夕刊にて、同県の警察が薬物乱用の疑いで病院に運び込まれた男を逮捕したという記事が小さく載っていた。男は同日の朝S市某所の住宅街をふらふらとした足取りで歩いていて、突然倒れて嘔吐しだしたため通行人が救急車を呼んだ。男の吐しゃ物には毛髪等の異物が見られたという。

薬物の乱用者となると自分の毛髪を食べていても不思議ではないところだが、日付と時刻がちょうどアカウント凍結後に連続する点と、関係者を自称するスレ住民のタレコミが説を補強し、逮捕説は一定の支持を得ている。


ここまでに上げた二つの説はどちらも証拠不十分であり、「信じるか信じないかはあなた次第」な風潮を捨てきれていないためか、懐疑的な目を向けられることが多い。

それに対して、「明らかに創作とわかる」ことが面白がられ、逆に大きな支持を集めてしまった説がある。

「食べます食べました」=食人怪異説だ。

これは創作的側面が非常に強いため、詳しい解説は後述の「怪談としての「食べます食べました」」に譲るが、端的に言うと「食べ食べはインターネットで承認を集めることで実体化を目論んでいた妖怪で、薬物摂取により発狂し生き物を食らうことに目覚めたため、今も獲物を探して彷徨っている」という説である。

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