第2話
中学三年間を共にしたアメフト仲間だったから、みんなでかい体をぶつけ合う。
「試合じゃないからぶつかり合わなくてもいいじゃん」と誰かが笑った・
アメフトなんてしたことなかったけど、体が大きいからという単純な理由で誘われた。体験に行くと、可愛い先輩のマネージャーが優しく挨拶してくれて、そのまま入部してしまったが、入ってみるとなかなか楽しいスポーツだった。体も使うけれど、作戦も必要でゲーム性の高いスポーツだ。
中学受験を頑張って、大学まであるところに入学したのだから、あとは楽しい学生生活を送ろうと決めていた。アメフトが楽しかったので、もちろん高校でも続けて、できたら大学でも活躍したい。先輩たちも続けているみたいで、あの可愛いマネージャー先輩もいるらしいので、これからきっと楽しくなる希望しかない。
入学式の後、新しいクラスに入る。外部性は1クラスに片手ぐらいなので、緊張感のない面子がほとんどだ。
俺ももちろんそんな顔をして、担任の先生が入ってくるのを待っていた。
「はい、みんな揃ってるか?」と言いながら、四十代くらいの細長い顔をした教師が入ってきた。
「絶対、理系だ」と俺は隣の女子に話しかける。
「いや、社会だろ」と後ろの男子が小声で言う。
「カレーパン賭ける?」と隣の女子が言う。
(女子なのに、お菓子とかじゃないんだな…)と内心思った。
「社会」
「理科」
「数学」と隣の女子が最後に言った。
「一年二組担任の
隣の女子がガッツポーズを小さくする。
「何部?」と聞いてみた。
「私? 帰宅部」と返事が返ってきた。
「それなのにカレーパン?」
「だって、美味しいし」
「俺もカレーパン奢るの?」と後ろの席の男子が話に入ってくる。
そんな話をしている時、後ろの扉が開いて、さっき桜の下にいた彼女が入ってきた。
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