episode3 襲撃
「国に……狙われている……?」
俺も相棒も訳が分からなかった。
出雲さんは何かあった様にも、ましてや犯罪等に関わる人には思えない。
「理由を聞いてもいいですか………?」
俺が恐る恐る聴くと、出雲さんは大丈夫ですと言ってくれた。
「貴方がたは、PKO……アルジャワ事件をご存じですか………?」
その瞬間、俺はかつての記憶がフラッシュバックした、、。
そして俺はこう呟いた。
「……出雲心弥」
その瞬間、ガタンと驚いた様子でこちらを見つめる出雲さんが、「あなたは、兄を知っているのですか?」俺は答える。
「あぁ、俺もその場にいましたから、、、」
2031年中東 アルジャワ共和国
……中東は基本治安の良くない地域であり、そこにいく事は命懸けになる___ 「2番班異常なし、送れ」 トランシーバーから聞こえる声に集中していると、 紛争から避難してきた、難民キャンプの子どもたちの声 この国に来て4ヶ月たつが未だに彼らの言う言葉は朧げにしか聞こえない。 そのうち、一人の少女が俺に話し掛けてきた。 「お兄さん、服、なに?」 聞こえた単語を繋げてもよくわからないが、おそらく着ているこの迷彩服の事だろう。 「この服、隠れる、便利、」 こちらもカタコトになってしまったが、なんとか返せた。 そんな何気ない会話したある日、昼食後いつものキャンプ前にいると。 突然、 「ガシュン!ガシュン!」 特徴的な銃声が聞こえた 直ぐにトランシーバーから「一番班?一番班聞こえるか?」 「二番班直ちに集合!急げ!」 俺は直ぐに集合場所に向かい、トラックの荷台に乗る。 「班長…一番班から応答なし!」 すぐに弾倉(マガジン)をチェックする、自らと班員の命がかかっている、ミスは許されない。 現場付近にトラックがついた。 俺は深呼吸をし、スコープに敵が映るのを待つ。 しかし、敵は見えない。 「逃げたか…?」 そう呟いた瞬間、俺から5メートル離れた、位置にいた一人が倒れた。右足から血がででいる。 直ぐに射線を考える。 そして、スコープを覗く。 「…あの木の枝の揺れ方___まさか…!」 その瞬間、銃声と明らかに不自然な光が見える。 「マズルフラッシュ___!」 スコープの中心にマズルフラッシュのあった葉をあわせる。 全責任は俺が取る________!! トリガーを引くと、木の中心から何かが落ちた。 「_____っッッッ!」 言葉の出ない叫びが響く。 そう、俺が撃ったのは少年兵……。 まだ若い、10〜15歳で構成された非正規の傭兵だった。 その瞬間、トランシーバー越しに聞こえる。 「1番班一名死亡確認…一等陸曹…出雲心弥」 続けて聞こえた声は「敵襲撃傭兵、一名死亡と思われます。」 二番班の全員から「班の全滅を防いだ、最大の英雄」 と言われた。 俺は気が狂った。 「俺は…俺は…英雄なんかじゃない!!ただの人殺しだ。弾丸の入った銃で人を殺した!!。」 3日後、事件を受けて部隊全員の帰国が決まった。 出国の直前に少年兵を撃った場所に来た。銃撃があったことが信じられないほど静かだった。
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