episode4 紫炎
帰国後当時の上官に今後の身の振りを聞かれた際、俺は聞いた。 「俺はこれからどうするべきですか……?」 上官は答えた。 「命令に従うのが我々の業だ」 そして渡されたのは、茶色の小さな封筒。 その中には、紙が入っていた。 その紙には、[異動命令]と書かれていた。 異動先は………特殊戦術群実務班と書かれていた。 「自衛隊の中で最高戦力として、かの特殊作戦群と肩を並べる。」上官は話した。 「君の決定に期待している」
俺の答え…………それは、イエスだ。
これは命を懸けた狭間…一つの狂気。 俺は言った 「自らの血塗られた手…犠牲の上に必ず誰もが安心して生活出来る…日本があるのなら…俺は入ります。」 あの襲撃は政府によって隠蔽された。なんせ国にとって最大の不都合だからだ _______翌年…2032年4月 帝都北部 高級料亭 ほくや 大宴会場 和室 襖を開ける。 「何者だ!!」 「新道零也…………陸上自衛隊特殊戦術群実務班」 仲間が銃で二人を射殺 次の刹那引き抜いた俺の日本刀 _黒狼武刃刀真打(こくろうぶじんとうしんうち) は影を赫赫しい血の色に変えた。 仲間に目線でサインを送る。トランシーバーから。 「起爆スイッチ、起動!」 その瞬間、辺りは炎に包まれる。 燃える料亭を背に一度も振り返ることもなく、ただ時間だけが過ぎて行った。
かつての記憶を遡り、依頼人との数奇な運命に驚いた。
「なんと言うか、、奇縁というのもあるんですね、、」出雲さんはそう言った。
時が過ぎた夜
出雲さんの帰宅の身辺警護を俺が担当することになった。
俺の左の腰にはあらゆる危難を払い除けた警棒
白狼撃影打(はくろうげきかげうち)
日本刀に使われる玉鋼を現代の金属であるチタン等の合金で加工したこの一振り、今日も危難を払い除けてくれると信じたい。
出雲さんは
「今から、、玄関のドア、開けますね…。」
慎重にドアを開けようとした。
その次の刹那、俺の背中が凍りつくような恐怖心を感じた。
(マズイ…………。誰かいる………!)
俺の良くない予想は的中してしまった。
開けた瞬間、中からは……!
果物ナイフを持った男が。
すぐに彼女を開いたドアの死角に入れる。
彼女は驚きと恐怖で呼吸が浅く速くなる。
瞳には涙が。
「大丈夫かっ……………?」
なんとか彼女の俺の身体の影に入れる。
そして、直ぐに犯人の顔を見てこう言った。
「何が目的だ!」
すると、犯人はこう答えた。
「その、、、、女は、、俺の金で成功しやがったんだよ!」奴は続けて、「その女にいくら注ぎ込んだか分かるか?クレジットカードの限度額までな!なのに、俺にその分の返しがねぇ!」
俺は一通り聞いて、反吐が出そうだ。
「チッ、、、、そんな身勝手の極みが許されるかぁボケがぁ、、、」
そして左腰の白狼撃影打を引き抜く。
右半身に構えこう叫ぶ。
「貴様には彼女に指一本触れさせん!!」
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