第4話 情報からの解放と心の静けさ

スマホを持たずに散歩を続けるうちに、心の中に不思議な静けさが広がっていきました。いつもは通知の音や振動に気を取られ、ふとした瞬間にSNSやニュースを確認してしまう自分がいます。情報が絶えず押し寄せることで、無意識のうちに心がせわしなく動いていたのだと気づきました。


しかし、この日はスマホがないことで、そうした情報に触れることが一切なく、自然と心が落ち着いていることに気づきました。周囲の音や景色に意識を向けることで、余計な雑念が消えていくような感覚です。人や物事を追いかけるのではなく、ただ「今ここ」にいる自分を感じることができました。


歩いているうちに、「本当に必要な情報とは何だろう?」と自問する瞬間が訪れました。私たちは日々、多くの情報に囲まれ、必要以上の情報を摂取していることも少なくありません。けれども、その中でどれが本当に自分にとって必要なのかは、意外と見えていないことが多いのです。スマホを手放すことで、そういった情報が自分に及ぼしている影響や、心の負担に気づくことができたように思います。


また、スマホがないことで、人と比べたり、他人の生活や考えに左右されたりすることもなく、自分だけの時間に浸ることができました。SNSを見ていると、つい他人と比べて焦りや不安を感じることがあったり、情報の波に飲まれて自分の軸を見失いがちになります。しかし、今日はその波から完全に離れ、ただ自分の歩調で、自然の中で心を休めることができたのです。


情報から解放されたことで、自分の心が少しずつ軽くなり、余裕が生まれました。あれこれ考える必要もなく、ただ歩いて、ただ風を感じる。そんなシンプルな時間の中で、深く息を吸い込み、心からリラックスすることができました。普段は見逃してしまう小さな幸せや、気づきが増えたのも、この静かな時間があったからこそだと感じます。


スマホを手放して得られた心の静けさは、忙しい日常の中で大切にしたいものであり、これからも時折こうして情報から距離を置く時間を作ろうと思うようになりました。

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