改変チケット ─女を願い通りにする紫の券─
ふぉるて
正しい道具の使い方
1─① オナホになった女子高生
それは、数日前までの僕には夢のまた夢としか思えない光景だった。
「んちゅっ、じゅる、じゅぞぞ……」
ブサイクではないけれど、確実にイケメンではないと言い切れる中途半端な顔立ちの僕。
そんな僕が彼女でもない同級生の女子の部屋に堂々と居座るどころか寝息を立てる中、この部屋の主であるその同級生は、朝勃ちした愚息にねっとりとした舌遣いのフェラチオを行って射精を促していた。
そして、そんな気持ちいい感覚に包まれながら目覚めた僕は、掛け布団の中を覗いてぼんやりとした思考のまま彼女に声を掛ける。
「う、ん……あ、桐や……紗枝、何で……?」
「じゅるる……ちゅぱっ。
はぁ……"7時半になったらフェラで起こして"って命令したのはアンタでしょ?
はむっ、じゅるる……」
「あー、そっか……。
って、一睡もせずに待ってたの……?」
「ちゅぱっ。
オナホが寝具持つ理由なんて、持ち主が部屋に泊まりたいって言った時用に決まってるでしょ」
「暇じゃないの……?」
「人間とはそもそも脳の作りが違うのよ。
それに、むしろ昨夜は……その、もう、アンタにいくらありがとうって言っても足りないぐらい幸せだったから……」
("昨夜"……あぁ、抱き枕代わりにしたっけ)
頬を赤らめてそう言った彼女に、僕は眼前の彼女が本当に人間とは全く別の生命体に変わったことを改めて実感する。
「フェラ、続けて」
「……はむっ、じゅるるるっ」
「……あ、出る」
「んぶっ!? んぶ……ん……ぶふっ……」
射精感が一気に高まるのを感じ、僕は彼女の頭を右手で撫でながら、ねっとりと絡みついてきている口内に射精した。
そして、寝ぼけ眼をこすりながら身を起こして掛け布団をめくると、そこには「じゅるる……」と軽くバキュームを行いながら竿を引き抜いていく彼女──
「待って……飲み込まずに口開けて、よく見せて」
「んふ? んぁー……」
その言葉に、紗枝は「ぬちゃあ」という粘っこい音を立てて口内を見せてくる。
当然ながら、そこには彼女の涎と僕の精液が混ざった物がたっぷりと溜まっている。
「ん、閉じていいよ。じゃあ、
僕が良いって言うまで飲み込んじゃ駄目だからね」
僕のその言葉に、紗枝は口を閉じて精液をぐちゅぐちゅと口内でかき回し、やがて頬を染めながら、うるんだ瞳でこちらをチラチラと見てくる。
精液の匂いで焦らされ、早く飲み込みたくてたまらないのだろう彼女の様子を10秒ほど満喫した僕は、彼女がぷるぷると震え始めたタイミングを見て「良いよ」と告げ──すると彼女は待ってましたと言わんばかりにごくごくとそれを飲み干し、
「ふぅ……朝イチの濃厚精液、ごちそうさま。
……散々待たされて苛ついたけど、アンタが所有者になってくれて良かったかも」
「…………」
「きゃっ!?」
その言葉に、僕は昨日の出来事が夢でなかったことを改めて実感し、無言のまま彼女の両胸を鷲掴みにして押し倒す。
しかし、腹の上に跨る形で馬乗りになっても彼女は嫌な顔ひとつせず、僕にパジャマの胸元のボタンを開けられノーブラの生乳を空気に晒されても平然としている。
その美乳に勃起した愚息を挟み、両手で鷲掴みにして豊満な乳圧を竿にぐにゅぐにゅと押し付け再び射精感を高めていく。すると、彼女は「早く次の命令して」と言わんばかりに眼前の愚息と僕の顔を交互に見て無言で催促し始めた。
「好きにしゃぶっていいぞ」
ある程度焦らせてそう言った直後、彼女は迷うことなく亀頭をしゃぶり、その舌でじゅるじゅると卑猥な音を立てて竿を刺激する。
昨日まで彼女は
「うっ、また出るっ!」
「んぶっ!? ちゅっ、ちゅうぅ~~~っ……♡」
僕の性欲を全て受け止めるオナホの役割をこなす事が誇りであるかのようにノリノリで性奉仕を行い、注がれた白濁を嫌な顔一つせずに全て飲み込んでく。
何故、僕達がこんな関係になったのか。
それは、昨日僕が彼女に"ある物"を使ったのがきっかけだった。
◇ ◇ ◇
「本ッ当に使えない愚図ね!!」
放課後の、誰も近寄らない旧校舎の教室。その中で僕を怒鳴りつける声が響いた直後、腹に蹴りの衝撃が走った。
「無いなら! 見つかるまで! 探してきなさい!!」
金髪が乱れるのも厭わずに何度も僕を蹴りつけている彼女の名前は、桐山紗枝。
整った顔と抜群のプロポーションの持ち主で、成績も優秀なギャル系美人。しかし良いのはあくまでその見た目だけで、その本性は指定された限定コンビニスイーツを持ってこられなかった僕の身に起こった通り。
父親がかなりの資産家でこの学校のスポンサーという事もあり、学校側も見て見ぬふりをするしかないということから、学校内では彼女に認知されない事が平穏な生活を送る方法だった。
しかし、半年前に転校してきたばかりの僕はその事を知らずに告白してしまい、こうして今も彼女の暇潰しのおもちゃとして理不尽な虐めに逢い続けている。
……でも、そんな日々は今日で終わる。
「ごめんなさい……お詫びに10倍のお金を払いますから……少々お待ちいただけないでしょうか……」
「殊勝な心掛けね。特別に5秒待ったげる」
このチャンスを、逃すわけにはいかない。
良心の呵責から使うのをためらった先程の自分の間違いに気付いた僕は、ブレザーの内ポケットにしまった
「オナホになれッ!!!」
──直後、願いを聞き入れたチケットが紫色の光を放ち、僕とチケット以外の時間が急激にスロー化する。
そして、僕は紫色の光を放つそれ──「改変チケット」を、真ん中で真っ二つに破り捨てた。
紫色の光が消え、床に落ちたチケットが空気中に溶けてなくなり、時間が正常に動き出す。
しかし──桐山さんは、先程と変わらず腕を組んで仁王立ちしたまま、苛立った様子でこちらを見ていた。
だが、僕はその容姿に若干の違和感を覚える。
(なんか、大人っぽくなった……?
成功したのかな……?)
不安に駆られ、僕は何も言えぬまま仁王立ちしている桐山さんを観察していると、彼女は我慢の限界といった様子でこう言った。
「……ちょっと、いい加減にしてくれる?
5秒以上待ってあげたって言うのに、何で
──その言葉に、思わず耳を疑った。
今、桐山さんは間違いなく、さも当然のように、お金ではなく"ちんぽ"と明言した。
これは……人としての姿形と知能を有したまま──つまり、"彼女の存在意義がオナホに改変された"という解釈で良いのだろうかと、僕は思わず
だって……そうでなければ、先程桐山さんに蹴られた痛みがまだ残っている事にも説明が付かない。
「ねえ、アンタさっき言ったわよね?
"今日こそ私の処女を貫いて正式に所有者になる"って」
いえ全く言って無いです──と思いかけたが、そこで僕は改変がどのように行われたのかを分析しなければならないと思い、思考を巡らせた。
恐らくこれは"先程までの怒りの感情そのものとそれに付随する攻撃行為"がそのまま残り、限定スイーツ云々の原因が"オナホである桐山さんからその怒りを買うのに値する事実"に改変されたのだろう。
更に、オナホと化した桐山さんにとっての処女貫通という概念は、どうやら道具に名前を刻む行為と同じような物という扱いになっているらしい。
そんな電化製品の絶縁体シートを抜くのと同義であるかのような発言に対し、僕の息子は勃ち上がり始めていた。
「はぁ……もういい、もう結構。
いつになったら私のカラダを使ってくれるか期待してたけど、アンタにはとことん失望したわ。
ED野郎が私の所有者に立候補する資格なんて無いの。
もう二度と話しかけないで。じゃあね」
そう言って、桐山さんは教室の扉へと向かって歩き出す。
僕は静止するついでに確認する事を決め、即座に声を出して行動を起こす。
「ま、待って!!」
一気に駆け寄り、桐山さんの背後から胴体に手を回して抱き止めた僕の鼻に、桐山さんの良い香りがふわりと舞い込む。
「ぁん……え?」
上側に回した左手で右のおっぱいをシャツ越しに鷲摑みにすると、桐山さんは困惑する……が、改変で価値観が変化したお陰か、振りほどいたり怒ったりするそぶりは一向に見せない。
その事実を十秒ほどの抱擁で確かめた僕は、シャツ越しにしてはやけに柔らかい──というか、
「んっ……♡」
「の……、ノーブラ……?」
「そんな、ものっ、付けるわけ、無いでしょ……っ!
人間と違って垂れないし、老いないんだから……ぁ♡」
その困惑をまたしても僕の無知と受け取ったのか、桐山さんはサラリととんでもない事実を教えてくれた。
……纏めると、僕の願いを聞き入れた改変チケットの効果で、桐山さんは「人間と変わらない姿形と知能を持ち、自分の処女を貫いた人間の男の性欲処理のために生きる不老の生命体」になった……?
「……っ!」
「あっ……あっ……♡」
状況整理した途端、僕の股間は痛いくらいに勃起し、ズボンとスカート越しの密着している桐山さんのお尻に思いっきり当たる形になり、その感触に気付いた桐山さんは歓喜の声を出した。
「なによ、あんっ♡ やれば、できるじゃない……♡」
桐山さんは蕩けた声でそう言うと、密着しているお尻をすりすりと器用に動かし、布が擦れる感覚だけで勃起した肉棒をしごいてくる。
「き、桐山さん……!」
「んっ……何?」
「き、桐山さんの……桐山さんの処女、今奪うから……!
僕専用の、オナホにするから!」
僕は今絶対に逃がしてはいけないという思いから、ズボンのベルトに手をかけ、自分でもびっくりするくらいの速度で下半身に着ている物を全部脱ぎ捨てた。
「……遅いわよ、馬鹿……♡」
桐山さんはそう言うと、右手を黒板につけて左足を上げ、そのスカートの中が露出する。
そこには上と同様、下着などという不要なものは無く、愛液をダラダラと垂れ流して内股を汚している、綺麗でいやらしいパイパンマンコがあった。
「……ほら、どうしたの?
あ、まさか入れる場所間違えないか不安?
大丈夫よ。人間と違って膣口しか無いから。
……ほら、早くアンタのちんぽブチ込みなさいよ」
そう言って、桐山さんは空いた左手で濡れ濡れの小陰唇をくぱぁ、と開け──僕はそのあまりにも蠱惑的な姿に、気付いた時には肉棒を突き入れ、桐山さんの処女を貫いていた。
「ふあああっ♡ やっ♡ ああああっ♡ きっきも、気持ちいいぃ♡」
ぱんぱん、じゅっぱんじゅっぱんと結合部から卑猥な音が鳴り響き、桐山さんは本能のままに嬌声を上げながら、膣をきゅうきゅうと締め付けてくる。
突かれる事こそオナホの本懐──そう言わんばかりに満ち足りた表情で乱れる彼女のエロ過ぎるその
「い"ッ♡ かたっ♡ 硬くなぁぁ♡
これやばっ♡ い"ッグッ♡ イ"グゥゥッ♡
初物オナホマンコっ♡ めちゃくちゃにっ♡ されてるぅぅぅっ♡」
改変前の暴力を振るっていた彼女からは想像もできない姿に、僕は改変チケットをくれたツナギ姿のおじさんに感謝しつつ、桐山さんのぷるぷるの唇とディープキスをする。
唇に安々と侵入し、チンポを吸い上げることに特化したのだろうゴムベラ質の歯を舌がこじ開けると、その奥にあるモノ──人間のものとは明らかに違う、搾り取る事に特化したイボ状の突起が無数に付いた形状の舌と交わりあうのは必然だった。
「んぶふっ♡ ちゅ、んちゅっ、んっ、ちゅぴ、じゅるる……♡」
腰の動きが止まるも、改変による体質変化の賜物か、桐山さんは膣壁を動かして肉棒を刺激しつつ、貪欲に僕の舌を刺激して射精を促してくる。
そして──
「ぷはっ……桐山さん、そろそろ……!」
「あっ♡ だと思あ"あ"あ"あ"あ"あ"♡」
僕は、ラストスパートと言わんばかりに激しいストロークを行う。
じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶじゅぶッ!という卑猥な音と共に密壺から愛液と我慢汁がとめどなく床に飛び散り、剛直の刺激に桐山さんは激しく乱れ、射精感がこみあげてくる。
「いいっ、いいわよぉっ♡
溜めこんだっ♡ 童貞せーえきっ♡ 思いきり
私はもぉ、アンタのオナホなんだからぁぁぁぁぁっ♡」
桐山さんのその言葉が終わるとともに、僕はオナホマンコに精を解き放った。
どぴゅ、どぴゅ、どびゅぅぅ!!と、玉袋から送られた精液が肉棒をあさましく咥える蜜壺で爆発する。
「ああああぁぁぁぁぁぁイグゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ♡♡♡」
桐山さんは思いっきり絶叫して仰け反り乱れるが、バランスは決して崩さない。
オナホマンコはペニスに密着するように絡みつき、僕の精液を出し切ってもその締まりが緩まる事は無かった。
すると直後、膣の奥が動いているようなくすぐったい感触と共に、桐山さんの下腹部──つまり子宮の辺りから、ゴクッゴクッと中出しした精液を飲み込む音が聞こえてきた。
「ん、ん、ん……っ、ぁ……♡
…………………………」
恍惚とした表情でひとしきり味わった後、桐山さんは無言のまま僕をじっと見つめ──
「ねぇ……1回でいいの?」
「……え?」
「いくらでも
ほら、まだこんなに硬いじゃない……」
結合しっぱなしのマンコの膣壁を「ぐじゅる」と動かして僕の息子を刺激し、桐山さんは失望ではなく、確認の意を含んだ声色でそう言った。
「思春期の人間のオスが、1回の射精で済むの?」
そんな彼女からの甘えた声色の誘惑に、思春期真っ盛りの僕が勝てるはずもなく。
「あぁっ♡ はぁん♡
さっきよりっ♡ 元気じゃないのぉ"っ♡」
「う、3回目出るっ! キスしよ桐山さんっ!」
「はむっ♡ ちゅっ♡ ちゅうぅ~~~~ッ♡♡♡」
──どぷぷぷっ、ビュルッ、ビュルプッ!
「んっ♡ ぷぁっ、ふぁぁぁぁ……♡」
更に2回精を吐き出し、それを受けた桐山さんはまるで快楽で乱れる姿を僕に見られることが誇りであるかのようにわざわざ口を離し、恍惚とした表情で精子を堪能していった。
「さ、流石に休憩が欲しいな……」
「立位だと連続3回が限度なのね。
……それと、精液……悪くなかったわ。
えーと……"ゴチソウサマ"、だっけ?」
まるで初めて言うかのように確認する彼女に頷くと、彼女は僕の頬にキスをして抱擁を解いた。
そして、引き抜いた愚息はオナホ特有の吸引運動により、精液の形跡を残すことなく綺麗な状態に仕上がっていた。
僕は、本当にそういう生命体に改変してしまったという事実を再認識したが、罪悪感は沸いてこない。
「いい? アンタには今から私のご主人様として振る舞う責任があるんだからね?
いつでもどこでも、アンタの好きなように性欲を吐き出せるのが私だって事、よーく肝に銘じておきなさい」
僕が衣服を整えると、彼女はそう言って通話アプリの友達登録画面を映して差し出してきてくれた。
「うん、よろしく。
早速なんだけど、桐山さ──」
「待った。私はアンタの所有物なんだから、
「……紗枝の家に行って良いよね?」
「断るわけ無いでしょ。
それと、念の為言っとくけど、私の判断で自由にできるものは全部アンタの物になるから、遠慮なんてするんじゃないわよ!?」
普段と変わらないキツめの口調ながらも、所有物となった自分の事を説明する紗枝の言葉に僕が思わず笑顔になったのは、最早言うまでもない。
◇ ◇ ◇
その後、僕は翌日からの土日を利用して──たまに紗枝のカラダで性欲を発散しながら──改変後の世界で彼女……いや、
結論から言うと、僕の改変によって誕生した「人間(の美女)と変わらない姿形と知能を持ち、自分の処女を貫いた人間の男の性欲処理のために生きる不老の生命体」──和名はそのまんま「
ちなみに、この改変後の世界では恋愛相手と共に老いる事が一般的な理想とされ、不老という要素は特殊性癖扱いになっており、それが人々がオナホである彼女達に手を出す割合が低い事にも繋がっているようだ。
また、オナホ達は虹彩部分が薄紫色で、瞳孔が角の丸い長方形をしており、処女オナホなら横長、専用オナホなら縦長になっている。
……個人的には、人間の姿形をしている彼女達が人間じゃないという事実が実感できて興奮するから気に入ってる。
そして、今は週明けの月曜日。
その昼休みに僕は紗枝と、もう一人のオナホとなった元人間──改変前の世界では紗枝の悪友で、時折便乗して僕で遊んでいた富澤さんという可愛い系のギャル女子──との三人で、改変前からの二人のたまり場である、廊下側の僕の席とは反対側にある紗枝の席に足を運んでいた。
富澤さんは改変前と変わらず紗枝の1つ前の席に座っているが、紗枝の席には僕が居る。
そして、近くの席から椅子を借りて僕の後ろに回った紗枝はと言うと──
「力加減はこれでいいわけ?
私のおっぱい、乳首まで感じてる?」
「うん、バッチリ」
僕の指示に従ってノーブラGカップおっぱいを背中にむにゅにゅっと形を変えるほど強く当て、弁当を食べる僕にバックハグをしてくれていた。
改変後のこの世界では、オナホとのこの程度スキンシップなら、周囲は何も言わない。何故なら、先人たちもそうやってオナホ達と共に歩んできたからだ。
「本当に紗枝のご主人様になっちゃったんだ……。
紗枝をよろしく……と言いたいんだけど、君も大概物好きだよねー」
「……
「あー、ちょっとやらかしかけちゃって……。
てかそれは置いといて……知ってる? 紗枝ってオナホのくせに"持ち主が
「あー……成る程」
改変後の世界では、紗枝に人が近寄らなかった理由はそういうことになっていたのかと、土曜の夜に紗枝を自宅に案内──否、"持ち帰った"際の
「……心当たりあるんだ?」
弁当の最後の一口を飲み込んで左肩の紗枝の顔を見ると、まだ忘れてないという不満げな顔で紗枝は口を開く。
「心当たりもなにも、私を専用オナホにするつもりでいながら
「うわちゃー、それは紗枝じゃなくても看過できないなぁ……。
一度でも精液を受けた樹脂製って、私達オナホにとってはすっごく不快な臭いがするんだよ。
幾ら洗っても絶対取れないし、ドア1つ挟んだ向こうぐらいまでなら"ある"って分かっちゃうくらい」
富澤さんがやっちゃったねという顔でそう言った。
彼女達オナホにとって、人類の科学によって生み出された樹脂製オナホは天敵以外の何物でもなく、僕が改変前の世界で使っていた相棒は樹脂と微かな精液の残滓が混じった特有の匂いを紗枝に嗅ぎ付けられ、彼女の包丁捌きによってズタズタに切り裂かれてしまった。
……どう考えても全面的に僕が悪いです、はい。
ていうか、改変後の世界の過去の僕は何でそんな優柔不断なことしたんだって全力でひっぱたきたい。でも、あのチケットをくれたツナギのおじさんと出会うのが遅かったなんて文句、言える訳がない。そんなことしたらただの恩知らずだ。
おのれ告白後の半年。おのれ改変チケット。ちくしょうありがとう!
「でも、紗枝も3割ぐらい悪いからね? オナホは求められたら応えるのが鉄則ってのは分かってるでしょ?
気持ちは分からなくもないけど、流石にオナホが人間を蹴るのはやりすぎ。
それに樹脂製も、いくら不快でも私達と同じご主人様の私物なワケだから、アンタが処分するのはご主人様から許可得てても絶対にダメ。オナホとしてのマナーだよ?」
「フン、どーせ私は人間向けの勉学成績が良いだけの欠陥オナホよ」
富澤さんは僕にフォローを入れつつ紗枝を諭そうとしたが、紗枝には逆効果だったようで、バックハグをしたままそっぽを向いてしまった。
僕は慰めの言葉をかけるべきだろうかと思い、月並みな言葉だけど紗枝に伝えてみる。
「紗枝、折角の綺麗な顔が台無しだよ」
「……は? 何それ?」
オナホ的にイマイチだったのか、紗枝は微妙な顔をしてしまう。
すると、富澤さんが頭を搔きながらこう言った。
「それ、人間向けじゃない?
私達オナホだから、顔付きのキレイとか醜いとかってよくわかんないし」
富澤さんの言葉に、僕は成る程と納得した。
確かにオナホにとって一番の相手は「エロく正しく使ってくれる人」に他ならない。だから、そこに直結しない顔の善し悪しは彼女達の脳では理解できなくなっているのだろう。
さて、紗枝はどうやらオナホとしては異常なほど独占欲が強いらしい。
ここは下手にかっこつけたりせず、オナホ達の価値観に
「紗枝、耳貸して」
「ん?」
(僕は、紗枝だから良いんだ。
今日……僕は部活で汗かくから、お風呂で紗枝のカラダをスポンジ代わりに使って、洗いっこオナニーしよう)
「……! し、仕方ないわね……」
オナホ的にかなり嬉しかったのだろう。紗枝はほのかに嬉しさが漏れた声色でそう言い、僕は帰宅後の楽しみが増えた事に胸を躍らせるのだった。
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改変チケット ─女を願い通りにする紫の券─ ふぉるて @Forte-ChaosLove
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