【二話】何だか君は面白いや

『あのー、俺は何をすればいいのでしょうか。』


「俺、兵の雇い手やってんだよね。」


『兵.....ですか。』


「うん。だから、君には傭兵として働いてもらおうかな。」


『いやぁ、俺武器とか使ったこと無いし。』


「僕のとこ結構大手なんだよ?傭兵学校がある。そこへ編入してくれないかな。」



(金の貸し借りを理由に利用されている.......。だが借りがこっちにはあるからなぁ.......)



「着いてきて。」


『え、いや俺まだやるっていってな___』


「金、無いんでしょ。それにやることもなさそうだし笑」



(.....見下されたような気もしたが、確かにここで引き換えしたらこの先俺はこの世界でやることもなく死ぬのを待つあるいは元の姿に戻るのを待つことしかできない。)



「俺んとこの学校、寮があるから住家は確保できるよ。」



『っ、やる、やります!!』


「よし、じゃあ案内するから。迷子に何ないでね。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




『いやっ、でっか!!!!!!』



目の前に佇むのは、馬鹿でかい学校。



「入学書類、ここ記入して。」


『はい。』


「あっ、君......」


『?』


「俺名前聞いてないな。あと俺の名前も言ってない。」


「俺はここの校長、フォンク・アレデモント。君は?」



そういや、俺の名前は何なんだ?

まあ、そのまま日本にいたときの名前でいいか......。

風原琉雅。



『リューガです。』


「リューガね。必要な書類は完了したよ。編入の知らせは担当に知らせてある。学校の中に入れば迎えがいるはずだよ。」


『ありがとうございます。いろいろとお世話になります。』



「いってらっしゃい。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




(それにしても馬鹿広いな........。)



「おおい、おーーい。」



『は、はい!』



「君が編入生?」


『そうです!』


「おっけ、僕は君のクラスの担当。ミラドナッドだ、よろしく。皆からはナッド先生って呼ばれてる。」


『俺はリューガです。お世話になります!』


「リューガ、教室まで案内するよ。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



【フォアス学級】



「ここが君のクラスだ。一応学級について説明しておこうか。」



「ここ、傭兵学校(通称・アレデモントソルジャー)は、四つの学級がある。」


「一番下にここ、【フォアス学級】、三級に【ルーゲル学級】、二級に【セルム学級】、特進学級として、トップに【アレデモント学級】がある。」



『なるほど.........。』



正直、よくわからなかった。



「フォアス学級には、君含めずあと五人の生徒がいるんだ。外で課外授業をしに行ってて今はいないんだけどね。明日から君も授業に参加してみるといい。」



『はい!』



「これは寮の鍵。306号室、基本的にここの寮は一人部屋なんだ。」



「あーあと、明日の授業は8時からだ。寝坊すんなよ。」



『っ、気をつけます!』




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



そして、一日時が経った。



「今日から編入生のリューガもこの学級のメンバーだ。皆、仲良くするんだぞ。」



『リューガです。よろしく。』




自己紹介が終わったあと、何人もが俺のもとへと来てくれた。

こんなの、日本の時はなかったのに。



よっしゃ、ここで友達が作れる!!!



「リューガ、僕はユーク。君の隣の307号室なんだ。」



綺麗な白髪だ。手入れされていた綺麗な髪の艶が眩しい。



『隣の部屋なんだ。よろしく。』



「リューガ、もう授業が始まるよ。今日は外の訓練場にての授業だから。僕が案内するよ。」


『ありがとう、助かるよ。』




「ううん、何だか君は面白いや。」










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