第27話

昨日の場所へ、ドキドキしながら行く。



また成実様が……歩様が寝てたらどうしましょう!?



少しだけ……少しだけ寝顔を堪能しても良いですかね?!



でぇっへっへっ。


ってマズいマズい涎が……。



ふふん〜ふふん〜ふ……




あああああああ………




結論から述べましょう。



歩様



居ませんでしたーーっ。




なんだよっ、なんだよーーっ。



このトキメキをどうしたらいいんだーーっ。




昨日歩様が寝転がっていたベンチに座る。



リュックを下ろして空を見上げる。



しかし何故、歩様はこんなところで寝ていたのでしょう?



雲一つない青い空。


気持ちの良い朝。


心地よく吹く風。



ココは良き場所ですね。


眠たくなるのもわかる……気がしますね……。



眠たくなってきました……。



いや……ダメです……こんなところで寝て……





「………」





“桜”



ああ……。


ああ………成実様っ。



手を伸ばすーー


笑顔の貴方様に。



ずっと、ずっとお会いしとうございま




「五百川??」



「っっ!?」




突然声を掛けられ、バチッと目を開ける。



しまった!!


本当に私は忍失格です!!



こんなところで寝て、接近されるなんて。



戦国時代なら間違いなく死んでました。




「五百川?」



「はぁいっっ!?」




こここここここここここここここここここの声はっ。




「成実さ……歩様!!」



「様は止めれ」




振り向いた先には、眠そうな表情の歩様が居ました!



不意打ちですっっ。

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