第26話
今日は変な男に追走されることなく、無事に公園へと着きました。
「さーる、さるさるお猿の子。ちょーっとおドジなお猿の子っ」
歌いながら公園に入る。
これは呪文です。
奴を呼び出すための。
良いですか?
5・4・3・2・い
「だあーーれがお猿の子だ、ゴルァッッ!!」
はい、やってきました。
シャッ!!
登場と同時に手裏剣投げてきたんですけどね。
まぁそのくらいの手裏剣、簡単に避けますけどね。
私、優秀な忍なので。
「自分で優秀って言うなっ」
「おはよー。猿飛」
「無視するなっ」
朝から元気だぁ……この猿は。
「猿じゃねぇよ!!」
「!?」
「驚くなっ。てか、連日来るんじゃねぇよ」
木の枝にヤンキー座りで、こっちを睨んでくる猿飛。
いや、だからそういうところがね……。
って、まぁいいや。
猿飛に構っている場合ではありません。
「これを真田様に渡して欲しいの」
「あ?」
私は美冬ちゃんから預かった手紙を掲げた。
「政宗様から」
「ああ」
木から飛び降りた猿飛は近くまで来ると、手紙を受け取った。
「必ず渡す。このために来たのか?」
「それもある」
「それ“も”??」
「猿飛よ」
「なんだよ?」
「おにぎり食うか?」
「おにぎり!!」
パッと笑って手を出してくる猿飛に
「但し、条件がある」
そう言うと
「条件ー?」
嫌ーな顔をされる。
「30分だけ、ここには近づかないでほしい。絶対に悪さなんかはしないから」
「なんだ、そんなことか。良いぞ」
あら、アッサリ交渉成立。
私は弁当の中から予めラップで包んでいたおにぎりを2つ、猿飛に渡した。
「この手紙を幸村様に届けてくるからよー。じゃあな!!」
そしてアッサリ離脱。
アッサリしすぎて拍子抜け。
でもこれで!!
邪魔者は居なくなりました!!
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