第23話
いや……バカではないですけどね。
というか、必死で理解しようと心掛けたのに、バカとは……。
そして濃姫、貴女が言われたのではないのですよ。
そんなキラキラした瞳で織田信長公を見ても……。
それに気付き、頑なにそっちの方は見ない織田信長公。
顔色が凄まじく悪いですね。
大丈夫でしょうか。
まぁ、どうでも良いのですが。
「え?何叫んでんの?生徒会長」
「メチャクチャ真っ青じゃねぇか、織田信長公」
叫んだ織田信長公を見て、首を傾げる美冬ちゃんとこじゅ様。
それに答えようとすると、またしても織田信長公が接触を試みてきた。
さっきのでわかったでしょうに、私が読唇術が苦手だということが。
なのに
おっと、今度は手話になりました。
えっと?
(アイツをどうにかしろ!!)
「アイツを……?」
森蘭丸も訝しげに織田信長公を見てる。
そこは合っていたようで、ウンウンと織田信長が頷く。
おお。
(ど・う・に・か・し・ろ!!)
「し・ば・り・あ・げ・ろ?」
いやいやいや無理。
私は美冬ちゃんとこじゅ様の手を掴むと走り出した。
「ちょっっ!?桜!!」
「危ねぇっっ!!」
「……覚えてろ、忍ぃぃっ」
ヒィイッ。
呪詛を吐かれましたっ。
忘れますけどねっ。
「ねぇ、桜」
「はい?」
「アイツをどうにかしろって言ってたわよ。生徒会長」
「あっ、そうなんですか」
アイツとは、濃姫のことですよね。
どっちにしろ無理ですね。
しかし手話がわかるとは
「流石です。政宗様」
「政宗言うな」
「いひゃひゃひゃひゃ」
美冬ちゃんがほっぺをおもいっきり抓ってきました。
もっ、もげますよ?
歩様に会えなくなりますーーーーーーーーっ!!
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