第15話

それから自己紹介は続き、次はこじゅ様。



さっきのこともあってか、ものすっっっごく仏頂面のこじゅ様。



いつもなんですがね、いつも仏頂面なんですが、今は輪がかかってますよ。



そうなるとただの悪メガネで……




「悪メガネて。せめてヤンキーメガネにしたあげなさいよ」



「否っ!!横文字っ!!」



「横文字て」




と、美冬ちゃんと話してたら、ギュンッと体の向きをこっちに向けてくるこじゅ様。




「いやいやいや、なんでこっちを向く??」



「なんでしょう……。めっちゃ目が合いますが……??」




睨んでる?


睨んでるのか?



受けて立ちましょう?




「ねぇ、さっきといい、アイツ怖くない?」



「ねー。名の知れたヤンキー?」




わぁあっ。



名の知れた悪って!!



違う、違いますぞ!!



彼はただのメガネだ。



間違えました、ただのメガネをかけた普通の人だっ。





「咲……」




何故か美冬ちゃんが、こじゅ様を哀れんだ瞳で見ていた。




「俺の名前は実渕咲。そこの大賀美冬と五百川桜とは生まれながらの幼なじみだ。そこの二人に色目、ちょっかい、苛めなんてしてみろ……??」



「「「「………………」」」」




ギラッとメガネが光る。



お?お?お?



それ、どーやってんですか!?


新技!?




「ベランダから吊るしてやるからな??」




と言った。



その瞬間、誰もが下を向いてこじゅ様と視線を合わせなかった。




「ふふ。面白いことを言いますねぇ、実渕くんは」




のに田所先生は笑い……筒井先生はブンブンと首を横に振っていた。



筒井先生はこじゅ様の本気を感じ取ったのだろう。




「ねぇねぇ」




おおっ!?



美冬ちゃんの後ろの席の女の子が話しかけてきました。





「あんなに必死なんて、どっちかが実渕くんの彼女なの??」




………………………………………………………………。




美冬ちゃんと目があい




「「いやいやいやいや」」




同時に満面の笑みで首を横に振った。




こじゅ様は大事な大事な




「幼なじみ」「幼なじみです」



「えー……」




えー……??




こじゅ様の自己紹介が終わって、続いては。

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