第10話
「では初めての方もたくさん居るでしょうから、自己紹介から始めましょう」
……なんだ、自己紹介ですか。
そんなの要りません。
私は歩様と美冬ちゃんと、こじゅ様さえ知ってれば十分です。
「はい。では次は……ごひゃくがわさん??」
この先生、ちょっと首をポキッてやっていいかな?
いいですよね?政宗様。
おもわず忍状態になった私は政宗様を見た。
「バカたれ。ダメに決まってるでしょ。さっさとしなさい」
「はい」
却下されたので、渋々立ち上がって自己紹介をしようとした。
……んですが。
歩様がっ、さっきまで寝ていたはずの歩様が起きてらっしゃる!!
少しポケーっとしてらっしゃいますがっ(可愛い!!)
これはっ、失敗は許されません。
歩様が聞いてらっしゃる!!
「ごひゃくがわさん??」
「違うわっ」
歩様の前で間違うんじゃないです……です
……あっ。
やってしまいました。
「すみません」
立ち上がり謝罪する。
目上の方にあのような口の聞き方をしてはなりません。
「いえいえ。間違えた僕が悪いので。では正しいお名前を教えて頂けますか?」
……この教師。
ニッコリ笑った田所先生。
出来る。
ドジっ子、天然っぽいが。
確かに自己紹介は必要のようです。
「私の名前は五百川(いおかわ)桜です。これからどうぞよろしくお願いいたします。趣味は修おぐぅ!?」
「「「おぐぅ……??」」」
それって??と皆が首を傾げる。
違う、違うんですっ。
美冬ちゃんに脇腹を撫でられたのです。
修行と言ってはダメなのですか……そうですか。
「すみません。さっきのは、しゃっくりです」
「「「しゃっくりっ!!??」」」
「趣味は体を鍛えることです。以上」
ペコッと頭を下げて着席し、そろーりと歩様を見ると目が合ってしまいました!!
っっっ!?
フッとほんの少しだけど笑って下さったのだ。
……ああ。
笑った顔が見れるだけで泣いてしまいそうな程幸せだった。
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