第5話

「美冬ちゃー……」



「ほら、あんたはこっち。あたしの前。喜びなさい」



「あっ……」




こじゅ様が声を上げる。



こじゅ様??




私をこじゅ様から引き剥がし、引きずって席へと連れて行こうとする美冬ちゃん。



綺麗で華奢なのに、力は強いのです、この御方。




「うわぁあああっ、美冬ちゃーーん」





歩様が、歩様が離れていくぅうううううっ。




「うるさい。もう一回叩かれたい??」



「すみません。申し訳ありません。勘弁を」




頭に上履きの跡がクッキリつくので止めてください。



そんな姿を、歩様には見せられないっ。




ズルズルと引きずられて自分の席に着いた所で、タイミングよくチャイムが鳴った。




そして、担任の先生と副担任の先生らしき人たちが入って来たのだけれど。



なっ


なんて弱そうな担任の先生なんでしょう……。




大丈夫なのですか!?


大丈夫なのですか!?



こんな癖のある(自分で言う)者達の中で大丈夫なのですか!?




先生方は生まれ変わりではないようで。




なんかもう担任の先生にいたっては真っ青なのですが……




これなら……




「あんた、何考えてんの??」



「!?」




後ろから美冬ちゃんが聞いてくる。




ドッキーンとしたがここは忍で鍛えたポーカーフェイスで……

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