第42話
ギッと壇上に立つ、自称織田信長を見る。
ぬぅ!?
ここであたしは初めて、マジマジと自称織田信長を見たんだけどっ!!
まさかのっ
まさかのっっ!!
美少年っっ!!
声の重厚っぷりから、喋り方から、勝手にゴツいオッサン系だと思ってたけど、美少年だったわ!!
サラサラの黒髪に、クッキリ二重のパッチリ大きな黒瞳。
シミ1つない白い肌の美少年。
……この人、ショタ好きには堪らないんじゃない??
身長も仁王立ちで、めちゃめちゃ大きく見せようとしてるけど、あたしや桜より低いかも?
普段ならきっとキャーキャー言われるんだろうに、新入生女子にもキャーキャー言われてただろうに。
先に「ひれ伏せ」やら「織田信長である」発言のせいで、今は"何コイツ……"的な目で見られているわけだけども。
そんじょそこらの女子よりも肌が綺麗で……。
モテないわけがなく。
しかし、肌に関しては女子としてはムカつくわけで……。
少しムッとしてれば、あたしの様子に気付いた咲がこれまたようやくマジマジと自称織田信長を見て絶句してた。
あんぐり大きく口を開けてた。
「咲っ!咲っ!顎、顎外れるっ!!」
「んがっ!!??」
近寄ってって、咲の口をおもいっきり閉じる。
「ねぇ、咲。アレ本当に織田信長……さん??」
歴史の偉い人だ。
迷ったけど、一応"さん"付けする。
「魂は間違いなくですがね。前世での容姿は普通のオッサンでしたよ」
と事も無げに言ってのける咲。
「あんた……」
仮にも"あの"織田信長を普通のオッサンて。
我が幼なじみながら怖いもの知らずというか……。
「どどどどどどどどどどうしたら!?」
こっちはこっちでまだ、呼び名を悩んでるのしっ。
"成実"を見れば、我関せずでアクビなんかしてるしっ。
自由かっっ!!
「今世の"伊達政宗"はなんとも美しいな」
……ハァ?
今、なんて?
前世織田信長がこっちを見て妖しく笑う。
ゾッ……
その美しくも禍々しい微笑みにおもわず気圧され後退る。
それは他の人達も同じみたいで、騒がしかった体育館は一瞬で静かになった。
「ああああああああー……」
頭を抱えるこの子以外は。
「ああああああああ歩くん??ややややややややややややっっ!!ダメダメダメ‼そんな恐れ多い‼」
「うるさいよ!桜!」
「はわわ!すみません……」
そんな桜を見て、ホッとしたのもつかの間……
「我の"物"にはならんか?」
「……は?」
今、なんて?
「ふっ、耳が遠いのか?」
「遠くないわ。正常だわ」
おもわず前世織田信長にツッコむ。
言われたことが正常じゃないんだわ。
「我の"物"にならんか?と聞いたんだが?」
………………
「「「ハァァ!!??」」」
おっと、桜や咲まで。
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