第37話
ザワザワと騒がしくなる体育館内。
それはそうでしょう。
突然、自分はあの"織田信長"だなんて言う人が生徒会長だなんて、誰が信じるでしょうか。
私達、生まれ変わり以外はーーーーーーーー。
「くっくっく。そこに居るのはわかってるぞ。姿を現せー"伊達政宗"」
低い低い声が発したのは、私の大事な主の主。
そして、大切な幼なじみの昔名。
有名すぎるその名に、より一層騒がしくなる体育館内。
「ハァ‼??」
すっとんきょうな声を上げるのは、名指しされた政宗様。
美冬ちゃんに政宗様だった頃の……前世の記憶はない。
けれど、私達の話をずっと聞いてたから。
美冬ちゃんは知っている。
自分が"伊達政宗"であったことを。
私達の話を信じてくれてるから。
"知っている"
それが急に、しかも姿を見せてさえいないのに呼ばれれば、それはびっくりするというもの。
しかし私と、こじゅ様は知っている。
織田信長公ならば……
「来ないのか……?ならば」
「こちらから行こう」
来るっっ‼
私とこじゅ様は、政宗様の前に立つ。
政宗様には指一本触れさせません‼
「桜……。咲……」
「大丈夫ですよ。美冬ちゃん」
「必ず守る。美冬も桜も」
不安げに泣きそうになってる政宗様を安心させるべく、現世の名で呼び笑う、こじゅ様と私。
てか、こじゅ様、私を守るって。
私の方が強いですよ?
その時
ガラガラガラガラーーーーーーーーーッッ‼
重い音を立てて、鉄の扉が開いたーーーーーーーー。
「…………っっ‼??」
織田信長ーーーーーーーーっっ‼‼
今は、現世だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼
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