第35話

「え!?明智光秀って、"あの"明智光秀!?」




政宗様が目を白黒させて、明智光秀公を見てる。




そう、私達の目の前に居るのは"あの"明智光秀公だ。




私達"生まれ変わり"は何故か他の"生まれ変わり"が・・・誰の"生まれ変わり"かわかる。




"魂"の色というか・・・なんというか・・・ただわかる。



しかし"あの"明智光秀公が先生!?





私達は警戒心を解くことなく対峙。



ああ、神経質っぽい所は変わってないな。





今も眼鏡のブリッジを何度も何度も押し上げ位置を直してる。





白衣を着てるけど・・・化学の先生??





「ここ近年は一体何が起こってるんですかね?」



「へ?」



「え?」



「あ?」




上から順に政宗様、私、こじゅ様だ。



近年??





「お久し振りですね。伊達政宗公。相変わらず見目麗しく、仲良しだことで」




明智光秀公が私達を値踏みするように順に見る。




「しかし、1人足りませんね。あの騒がしいのが」



「っっ‼」




成実様のことだっっ‼




「ねぇ、ねぇ‼どういうこと!?教えてよ‼」




政宗様が私達の制服を掴む。



アーモンド型の瞳があっちへウロチョロ、こっちへウロチョロ。




可愛い‼





「記憶はないのですか、政宗公は」



「成実もな」



「・・・そうですか。まぁいいです。さっ早く行きなさい。もう入学式は始まってますよ」



「んげっ!?」



「え!?」



「あ"!?」




時計を見れば、確かに入学式開始時間から5分は立っていた。




「早く早く早くっっ‼」



「行きっ行きましょうっ‼政宗様、こじゅ様‼」



「ああ‼」




急げ急げ急げーーーーー‼





私と政宗様は体育館へと走り出し、こじゅ様は何を思ったのか明智光秀公と睨み合うこと数秒。



すぐに後を追ってきた。




「何が起こるか・・・楽しみですね」



「っっ!?」




聴覚は良いんですよ。



弾んだような明智光秀公の声におもわず振り返るも、彼の姿はすでになくーーーーー。




「桜‼」



「桜‼」



「はいっっ‼」




何かが起こる。



その予感をヒシヒシ感じながら私は二人の後を追った。




「速い速い速い‼置いて行かないで‼」



「速すぎだ‼ボケぇ‼」




二人に叫ばれる。




どうしろと!?

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