第32話

なんかやけに周りに見られてるな・・・とは思ったけど‼



この子ってば、本当‼




「ちょっ・・・桜っ‼立ち漕ぎは止めなさい‼立ち漕ぎは‼」




立ち漕ぎしてスピードも速いもんだから、白く細い太ももが露になりパンツが見えそうになってるではないか‼



スカートを押さえる目的も兼ねてお尻をおもいっきり叩いてやる。




バチーーン‼なんて良い音がした。




「あいたっ!?ひどいですよ‼美冬ちゃん‼」



「ひどくないっ‼女の子でしょ‼パンツ見せて走る馬鹿がどこにいるのっ‼」



「うー。でも・・・」



「間に合うから。座って」



「はい」




シュンと元気をなくして座る桜。



どうも女の子としての自覚があまりない幼なじみ。


忍になるとヘンテコな修行をしてきた幼なじみ。


ちょっとズレてる幼なじみ。




でもあたしにとっては、ずっと一緒で大切な幼なじみ。



待ってなさい‼伊達成実‼



変な男だったら、即刻排除してやる‼



決意を固め拳を握りしめてれば




「こんの馬鹿忍ーっっ‼俺を置いて行くとは何事だぁーーーーーーーーーー‼」




あっ忘れてた。



猛スピードで咲があたし達を追従してくる。



もう1人の幼なじみ。



こっちはこっちで・・・。




「何を怒ってるんですかね?こじゅ様は?」



「さぁ?」



知ってるけど言わないわ。


これは咲の問題。



この幼なじみもあたしには大事なのだ。



恋とは・・・本当に厄介。



あたし達は、随分面倒くさい恋をしたものねーーーー。

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