第30話

「では母上、行ってまいります‼」



「うむ。迷子になって迷惑をかけときながらの、そのご機嫌、気になるけどまぁいいわ。くれぐれも周りに・・・美冬ちゃんや咲くんに迷惑をかけるんじゃないわよ」



「了解した‼」



「本当でしょーねぇ」




疑わしげな母上。

何故に‼??




ご飯も食べて制服にも着替えて、いざ入学式へ。



政宗様とこじゅ様も制服に着替えるため一旦家に。




「行ってまいります‼」



「はーい。気をつけてね」




母上に見送られて玄関を出た私に、すでに待っていてくれてた二人が振り返る。



早いですね、二人とも。



制服に袖を通した二人を見るのは初めてですが、とても似合ってます‼


政宗様は気品溢れ、こじゅ様は眼鏡のおかげですごく優秀に見えます。




「それ、制服関係ねぇよな」



「眼鏡も制服の一部です」



「初めて聞いたわ」



「・・・・??」



こじゅ様・・・・??



「詳しい話を聞きたいけど、取り敢えず急ぐわよ」




入学式まで後、10分少々。



ここから学校までは自転車で約10分。



ギリッギリのギリッギリです。




「了解です‼・・・って、こじゅ様??」




いつものキレがなく、ボーッとしてるこじゅ様。


置いていきますよ??




「ああ」



「では、どうぞ政宗様」



「桜。学校じゃわかってるわよね?」



「はい。大丈夫ですよ。美冬ちゃん」




前世に関係ある方の前では、政宗様呼びだけど、公共の場ではきちんと今世の名前で呼びますよ。



今の私は絶好調です。



政宗様が持ってたママチャリを受け取る。



彼女が後ろに乗ったのを確認して、私はペダルに足をかけた。




「参ります‼」



「う・・・うん。て、なんか張り切りすぎじゃ・・・ひっ‼??にぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼??」



こぎだした途端、美冬ちゃんの大絶叫。



どうしたというのだろうか??



しかし忍として‼



さっきから忍らしくないところばかりですが・・・。



お守りしてる人を、大事な幼なじみを‼



晴れの舞台入学式に遅刻させるわけにはまいりません。



「もうちょっと、スピードアップしますよ‼」



「じゅっ十分速い・・・速いぃぃぃぃぃぃぃーー‼」



「・・・・げっ!?置いていくんじゃねぇ・・・・って速ぇなぁ!?オイ‼」

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